伊藤園 お~いお茶新俳句大賞
第三十七回
佳作特別賞
ひらめいて言葉ひとつが風になる
冬銀河隔てて君の呼吸を聞く
秋空を喰らい尽くす群鳥や
水たまり宇宙を吸って底がない
桜咲く机のきずも初対面
倍率を見てないことにする勇気
桜咲く伝言ゲーム北上す
通知音ポケットの中年あける
焼き魚大根おろしの掛け布団
先生の「簡単です」に風が吹く
川音にほどける時間花筏
箱みかん四角におさむ冬落暉
父の背に牛のぬくもり冬終わる
除雪車が朝を削って街動く
凍蝶の羽音こぼれて闇ひとつ
帰路のろのろ金魚提げゆく子のうしろ
こどもらは転んで強くなる心
バス停に小さな手がたと雪だるま
狐の足あと雪面のファスナー
秋高しすべてがよそよそしい円周
火と文字と紙と電気とAIと
雷が鳴って結婚指輪買う
ノックするペンからことば文化の日
平凡でもいいエプロンは桜さくら
青き踏む眉がきれいに描けたから
朝焼けが私の声を聞きたがる
沢山の羽音で夜が明けない
冬銀河コインランドリー回りだす
火星から招待状が来る未来
べんとうにあけびを二つもってきた
沈黙のなかで湯気だけ話してる
都会には染まりたくない春の風
蝶々とおなじ高さを生きやうか
冬の雷電ちゅうに大きなはちの巣
先生の背中が静かに道になる
初春や羽根より高くシャトル舞う
鉛筆の削る匂いとしじみ汁
花の雨ヘルメット沿いに香りくる
入道雲夢を保存し満杯に
凧を引く月を均しているらしい
水をやる地球の裏で芽吹けばいい
レシートの白さが冬を長くする
木枯らしを斜めに受けて無耕田
虹だ虹はしゃぐ友との信頼感
トライ後の泥に笑顔や秋の風
あの頃は天井だった冬銀河
夏の果て海の切れ端置いていく
蝶番の軋み巣立ちの朝は雨
「虹でたよ」君に越される仲直り
なんでかな照れくさいんだ春の風




