伊藤園 お~いお茶新俳句大賞
第三十七回
佳作
虫めがね小さいありだするどい目
雪虫よどうか私を避けてくれ
雨あがり水たまりごし空光る
瓶ラムネ空に翳せば水鏡
吹きぬけた夏の日差しと青い音
雪うさぎ見上げる先は満月か
雪かきやしかと感じる雪の重み
永遠に着く気がしない帰り道
シャトル追う息より先に脚が出る
しんしんと名も呼ばれずに雪つもる
消しゴムを拾うふりしてのぞく顔
祖父と行く今日はわたしが松葉杖
月の下誰にも返らぬ鯨歌
消しゴムの屑を並べて街作る
山壁を裂きて生まれし初日の出
びいどろや朝日にきらめく霧の華
地図帳で世界平和を広げたい
お米たち年を取ったね古古古米
ノート開きえんぴつだけが先に寝る
白い息膝の痛みとボール追う
待っててね肩揉みするよクリスマス
マフラーをほどくみたいに君が離れた
露天風呂祖母の背中にカシオペア
悲しいときもカッコつけてるかげぼうし
赤とんぼ部活帰りの空遠し
衾雪足音までも包み込み
カレーライスなんだか今日はスパイシー
目を閉じて合格の文字なぞる指
一晩で世界を平らげ雪の朝
受験生画竜点睛覚悟だけ
僕専用プレイリストはラムネ色
あと五分解答用紙が湿つてる
雪解けやここから動く春の母
手をつなぎさむいさむいと目をそらす
いつからか蛙の顔を忘れてる
名を呼べば崩れてしまう春の距離
夢駆ける師走の空気を切り裂いて
電線は待ち合わせかな初燕
青空へたてがみ流し春の馬
馬の目に浦河の街映り込む
ダリア咲く強がる恋も色付いて
人見知りバッタの目すらまだ見れず
見つめると山照れ笑い初紅葉
扇風機止まれば夏が息をする
桜散る音なき音の中心で
闇の中ただ一人白
夕焼空部活終わりの影長く
掌の中の世界まわして春を待つ
玄関に母が靴出す初雪だ
シャッターを切る昨日の自分追い越すために




