この俳句は冬に雪をイメージしてつくりました。もともと雪が多い地域ではないのですが、珍しく雪が降り、校庭一面が真っ白になりました。そんな景色を見ながら、なぜ雪は空から降ってくるのか不思議に感じ、神様が宿っているのかなと思ったことを詠みました。
雪がふる。その一つ一つの雪片は、六花の結晶で、空から音もなくきらきらと舞い降りて来ます。その途中でぶつかり合ったり重なり合ったりして、大きな雪片となって降ってくるのです。降り注ぐ一つ一つの雪片を、神様の降臨のような、大自然の意志のようにも見て、おごそかな気持ちで両手で受け止め、あるいは腕を広げて体全体で浴びているのではないでしょうか。不思議さに有難さが溶け込んで、しーんとした気分になりますね。
(選評 安西 篤)