伊藤園 お～いお茶新俳句大賞
第三十四回
佳作特別賞
ダダダダダダダダダダダダ運動会
七段のとび箱にらむ息白し
マラソンで自分に勝利にじのくも
おばあちゃん入道雲でやって来た
笑い声たつまきおこす良いクラス
桜の葉ここちよい風もう少し
冬の朝下じきみたいな氷張る
降る雪に隠されていく私たち
大吉は神様からの成績表
蝉しぐれ解いても減らぬ方程式
椿の葉つやつやひかる笛にする
蟋蟀と夜中を共にすごそうか
行ってきます正月明けの単身父
北斎の大波は夢冬の海
知らぬ間に泳いでいったこいのぼり
蜜柑の香ぱっと広がる家の風呂
友との時間しゃぼん玉のよう消えて行く
一面の心をいやすスミレたち
花吹雪地に落ちるまでおにごっこ
七夕の不揃いの文字十五才
ガラス越し暖かそうな雪だるま
ポケットに居候中銀杏の葉
貝がらを夏と一緒に置いてきた
凧揚げて描く軌道は無限大
まっさらの教科書前に春一番
父の雑煮一味ちがうお正月
そよ風と朗読の声一度きり
七輪の上の蛤青き海原
ほしいもの脳みその中で協議中
チャリ乗ればどこを向いても向い風
雪降る夜迷子の枯葉見失ふ
二重線何度も引くの冬のせい
春分の微分積分いい気分
春らんまんネコのあくびにカメラマン
頑張れをカバンに詰めて春待つの
おはようと鶯の声風の声
雪催い鼻先染まる塾帰り
春告げる時計の針は戻らない
卒業式いつもと同じ春なのに
卵焼き上達しつつ春隣
カーネーション画用紙上で花開く
吐く息の奥で揺れてた水の星
かじかむ手手を繋ぎたい気付いてよ
正月は寝かせておくれ解剖学
