伊藤園 お~いお茶新俳句大賞
第十四回
都道府県賞
福岡県
あの人とココアの色であたたまる
夕焼けに電車一本見送って
夢を追う人の背をおす風二月
靴ぬいで靴下ぬいで春の海
佐賀県
吹雪の中働く姿はカッコいい
若竹の音が弾ける鬼火焚き
口下手な貴方がくれた蓮華草
錆色は待春の色父の色
長崎県
小川からけむり出てくる冬の朝
ヒマワリの力強さにあこがれる
耳鳴りのなかで聴こゆる早春賦
茸売る老婆の瞳やさしくて
熊本県
母の背の苦労の見える年頃だ
背番号僕の努力の通知表
アルバムのどの顔よりも今がいい
人呑んで夜桜どっと疲れたり
大分県
陽の当たる所の花はよく笑う
風景が色づいてきて春になる
人間に死んだふりする冬木かな
初蝶が来て押してみる乳母車
宮崎県
コロンビア夢と一緒に空にちる
寒空に人は足早雲も足早
太陽をあびる手足が幸せそう
霜枯の鉢を南にいつくしむ
鹿児島県
森の中木がいっぱいでぶつかりそう
戦争は地球の苦労こわしてる
青空を見ている私授業中
いつの間に妻に仕へて万愚節
沖縄県
沖縄をゆさぶる風よ戦闘機
島の子らテレビで見てる白い冬
昨日からあるコッペパン秋灯し
英語より日本語習えと母が言う
イタリア
ひこうきは空に絵をかく名人だ
アメリカ
一杯のお茶砂漠で見た一本のサボテン
ボリヴィア
あすが来る夕焼けを見てそう思う
ブラジル
歳時記を開き祖国の香りかぐ