過去の受賞作品

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  • 過去の受賞作品 第十四回 

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

審査員賞

阿川佐和子選

ゆうひがねやまにぶつかりとけちゃった

群馬県 根本 菜々子 5歳

五歳という年齢の感性と表現力と言葉の並べ方の見事さに、思わず恐れ入って我が脳みそに活を入れたくなる。

吉行和子選

起きてからかいとう時間約5分

埼玉県 原田 梨紗子 10歳

かいとう時間、がいいですね。自分の体に敏感、というのが素晴らしいです。

浅井愼平選

「あっ」という私の叫びで夏終わる

愛知県 清水 友理 15歳

ある日、突然夏が終わるわけではない。けれども人にはそんな感覚があって、そのことを作者は「あっ」と表現したのだ。「あっ」と冬は終わらない。夏だからこそこの言葉は生きた。

いとうせいこう選

席替えがワクワクしない男子校

埼玉県 仁平 光政 15歳

シンプルで、ふと言い捨てたような調子が自然です。「に」ではなく「が」を使って無骨にまとめました。

津根元潮選

落蝉よわずかな時で何を見た

兵庫県 長谷川 哲善 18歳

蝉のいのちは短い。まして木から落ちた蝉は翔ぶ力もなく地を這い廻るだけ、その短いいのちの中に何を見たのか。きびしい問いかけの句。

金子兜太選

饒舌の口に絡まる蛍烏賊

兵庫県 高木 らんる 27歳

蛍イカを食べながら喋りまくっている。その中で蛍イカが発光している感じで生々しい。

森澄雄選

雪掻くも降ろすも定め蝦夷に老い

北海道 西原 照夫 71歳

蝦夷は北海道の古称。雪深い北海道に老い、雪を掻くのも屋根の雪を下ろすのも決まりきったおのれの宿命。切実な一句。

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