伊藤園 お～いお茶新俳句大賞
第十四回
佳作特別賞
吉と出ていい神社だと母は言う
バスのゆれさいみんじゅつをかけられる
北風がきれいに見せる富士の山
僕入れたお茶おばあちゃんおいしがる
あかぎれの母にかわって皿洗い
マフラーを編む母の手はすばらしい
枯れた木にマフラーつけてあげたいな
はるかぜとパパのワイシャツさかあがり
秋の山番人している地蔵様
オオルリの青いせなかがまぶしいよ
じゅく帰りレーザーみたい車のライト
車来る水たまりにかさかたむける
水たまり割れた氷はジグソーパズル
初めてのスキー一歩がふみ出せず
スライディング成功青空光る
百点のテストを神棚にそなえる母
たい焼きは頭から食べる私流
にわか雨アメンボのプールできあがる
満月がこっそり入る露天ぶろ
雲一つ転んだぼくを見て動く
版画ほるシュッと木くずの波が立つ
新雪に足あとふやしてから帰る
じょせつ車が津波のようにおし寄せる
ストーブにかざす手指先からかゆい
ケーキ食べおなかの中に雪つもる
けずってもはじからしぼむかき氷
じょやのかね犬といっしょに二部合唱
坂道をぐんぐんのぼる達成感
ぐつぐつの音が家族を温める
授業中おしりの下に手をはさむ
はくさいがおしろいしている朝のしも
水たまり見るとついつい入っちゃう
竹馬に乗って待ってる初日の出
秋の風稲のにおいが交ってる
防波堤波打たれてもくじけない
美しいもみじの海に三千院
まん月を見るためひみつのやね登り
お年玉袋をあけると参考書
だんだんとなくなっていく町工場
先生の服に値札がついている
初日の出一日だけの大志持つ
ふとんからストーブの前に高速移動
こちょうらん私と同じ息をする
せつぶんににがしたはずのおにがいる
卒業式先生泣いて名前よぶ
黒板に字を書く私先生気分
ロケットは宇宙で泳いでる魚
なわとびで冷たい風をはね返す
大文字大という字はいさましい
つくしさんちょこんと顔だし息してる
