伊藤園 お~いお茶新俳句大賞
第三十四回
優秀賞
小学生の部(幼児含む)
ペケペケとねこよぶこえはぼくですよ
しょうにゅうどう上から下へぎざんぎざん
あーあねむいてんとうむしがとんできた
雨つぶが雪へとかわるのぼりざか
冬休み本物見たよピカソの絵
おじいちゃん稲穂の海でおよいでる
イギリスの海で泳いだ夏休み
中学生の部
タンポポの誰も知らない空の旅
冬茜非常口はどこにもない
展示室初夏の土偶はよく笑う
愛犬と父母と弟僕と雪
きっと見たナウマンゾウも流星を
カナカナと私が私を呼んでいる
反抗期終わらせ方がわからない
高校生の部
赤城山顔を洗ったような春
パパ聞いて今年の花火は彼と行く
春眠を抜けて始まる次の道
公転を忘れたやうに雪が降る
ブラジルには月の休憩所があるの
龍天に昇るや船を造る町
さまざまな祈りのレモン夏近し
一般の部A(40歳未満)
夕焼けの街に溶けゆく巨人かな
言い過ぎたあとの玄関花の雨
惑星のここは側面日向ぼこ
ベビーカーから見る雪はどうですか
たんぽぽを春のボタンと君が言う
ふんばっているのでしょうか芽が出ない
餅撒きや飛び交う声は多国籍
一般の部B(40歳以上)
腕まくり夏らしい手話使いけり
小松菜を茹でて見逃す決勝打
胸板は薄し開襟シャツ青し
いろいろを詰めて縛って捨てて春
花火師の一夜限りの島の宿
春風にひらがなめいてくる手足
船数えつつ立春の岬まで