過去の受賞作品

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  • 過去の受賞作品 第三十回 

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

英語俳句の部 大賞

  • Cool river
    A fish jumps
    Another fish jumps 訳/ 涼やかな川魚が跳ねるもう1つ跳ねる

    東京都 清水 雄二朗 14歳

    ある暑い日、家族と川へキャンプに行きました。跳びはねる魚を見て「魚もつめたい川が気持ち良いのかな」と和やかな気持ちになった思い出を俳句にしました。

    暑い日だ。作者は川を見つめている。川風がそよそよ吹けば、いくらか涼しい。流れに近寄って指を浸してみると、ひんやりしている。川は大きい存在だし観察の対象なので、定冠詞のtheも不定冠詞のaもつけないほうがいい。ないほうが広がる印象だ。少しすると魚が水面を割って現れる。羽化途中の虫を狙ったのか。そのうちもう一匹、はねて現れる。この句はシンプルに景色を描いているようで、実は雄大ともいえる時間の流れと川の流れを含んでいる。そのつぎのfishの登場、またつぎのfishの登場までも伝わるのだ。(英語俳句選評 アーサー・ビナード 日本語訳 星野 恒彦)

英語俳句の部 優秀賞

  • Winter is over
    The snowman has melted away
    I pick up the carrot 訳/ 冬が終った雪だるまがとけさりわたしは人参を拾う

    神奈川県 太川 千莉 13歳

  • Prepared to
    Live through adversity
    A winter rose 訳/ 逆境を生きる覚悟の冬バラ

    兵庫県 吉行 史佳 15歳

  • on the snowy road
    walk deliberately
    on my father's footprints 訳/ 雪道を慎重に歩くお父さんの足跡をたどり

    埼玉県 葛西 ほの香 16歳

  • I don't usually notice
    tiny ants
    without my son 訳/ 息子がいなければ小さな蟻にふだんは気づかない

    埼玉県 細 喜朗 38歳

  • a blade of grass ―
    the crack in the asphalt
    is a garden 訳/ 草ひと葉アスファルトの割れ目が庭となる

    イタリア Antonella FILIPPI 62歳

  • one after another
    railroad crossing ―
    lingering heat 訳/ つぎつぎに鉄道の踏切が―残暑

    東京都 宮川 夏 68歳

  • a car door ・・・
    the way the dog dances
    tells me it’s you 訳/ 車のドア・・・飼犬が踊りだす君が来たのだ

    アメリカ Timothy Russell 68歳

  • as if they know me
    wild roses tugging
    at my sleeve 訳/ 野生のバラが私を知っているかのように袖を引っぱる

    アメリカ Earl Keener 69歳

  • wearing new glasses
    I step out into what is
    clearly autumn 訳/ 新しい眼鏡をかけて出ればまさに秋

    カナダ LeRoy Gorman 69歳

英語俳句の部 審査員賞

  • アーサー・ビナード選

    In the sea
    A jellyfish is all
    Exercise 訳/ 海ではクラゲはもっぱら運動ばかり

    北海道 西島 陽平 11歳

    クラゲはとても神秘的で、その寒天質の体の動きをどう表したらいいか、人間の言葉を超越している気がする。一方、浜辺に打ち上げられると、クラゲは単なるゼリーの塊にすぎない。やはりIn the seaがクラゲの活躍の大前提といえる。傘を伸縮させて泳ぐ姿は、まさにすみずみまで体がすべて運動している印象だ。それをA jellyfish is all Exerciseと表現すれば面白く伝わると、この作者が発明した。フィットネスクラブで人間がやっているExerciseより、うんと優雅な感じ。

  • 星野恒彦選

    zoo
    sleeping animals
    a crying child ・・・ 訳/ 動物園睡っている動物たち大声で泣く子・・・

    宮城県 宇藤 勇樹 14歳

    動物園では怖いながらも近くでよく見たいのは、ライオンやトラなど。でも昼間は物陰に寝ていることが屡々で、がっかりします。けだるく退屈な空気をとつじょ破ったのは、大声で泣くヒトの子。鮮やかな対照を見事1句に仕立てました。

英語俳句の部 後援団体賞

  • 国際俳句交流協会選

    Minute hand
    and second hand
    hold an athletic meet 訳/ 分針と秒針が催す運動会

    愛知県 赤松 佑樹 15歳

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