伊藤園 お~いお茶新俳句大賞
第二十三回
優秀賞
小学生の部 (幼児含む)
さくらの木あの日あのとき思い出す
三日月に乗ってつりがしてみたい
じじの家とまりたいけど寒すぎる
夕焼けと海がつながる帰り道
おみくじをうす目であけたら春が来た
みんなには知られたくない変声期
手をつなぎ力加減を気にしてる
中学生の部
赤らめる私の心のチューリップ
転勤の父にも出そう年賀状
春愁や一人ぼっちで丘の上
木のきしむ音が落ち着く祖母の家
獅子舞が今年の不安を食い千切る
父の日にやっちまったぜ反抗期
銀色の乾いた音のすすき原
高校生の部
中学生慣れぬ敬語で春感じ
山眠る遊び疲れた子のように
ガムを噛む乾いた街の冬の日の
グラウンド少し静かな夏のあと
冬日和縮む体に長い影
虎落笛わたしを家に連れ戻す
百八も煩悩知らぬ十七歳
一般の部A (40歳未満)
桜餠どんと大きな欠伸あり
ひぐらしのなくゆうぐれのひとりごと
靴下を脱いでクジラになりたいのです
裏口を開けて歯磨き春はすぐ
羊羹の断面夜がにじみ出し
スプーンの輝き寒波来たりけり
真っすぐに向かって来る君春一番
一般の部B (40歳以上)
苦瓜の垂れて地軸を指しにけり
なまはげの藁の匂いも動きけり
夜店の灯昭和並べてありにけり
星々の一つに地球大花野
いつの間に知らぬ顔ある焚火かな
小春日や和紙の色なる昼の月