伊藤園 お~いお茶新俳句大賞
第二十回
優秀賞
小学生の部 (幼児含む)
耳の中プールの水がさわがしい
ゆうやけにかげあそびしてさようなら
ペンギンの白いおなかをさわらして
空見上げ力いっぱい野菜ぬく
森の中熊のねごとが聞こえてきそう
法隆寺いわし雲からはみでてる
逆上り銀河をけって一回り
中学生の部
こおろぎがひげを伸ばして月さわる
寒空を大きく抱える冬の枝
ふで箱の中身はいつもおにごっこ
朝起きて足跡がない雪の国
白い息自分の声が見えるみたい
出来るなら入道雲で眠りたい
金魚すくい君をそこからすくいだす
高校生の部
どの風も風鈴にきてよく喋べる
百億の光に押され西瓜割る
父といる無言の駅に初時雨
オリオン座返した本の7ページ
ぐらぐらと道路煮立てる蝉の声
かたつむりあなたの速度真似したい
えんぴつを置いて冬の濃きココア
一般の部A (40歳未満)
パラソルの下からでようとしない母
炭酸の泡と上下し子供の目
コーヒーの豆に詳しい受験生
跳ねるたび袴のおちる七五三
編む妻と子の話する秋の夜
鈍色の天から落ちる光り雪
一般の部B (40歳以上)
コスモスもスルメも踊る港町
おにぎりを紋白蝶と食ベる昼
チューリップ暇さえあれば恋をして
めじろ来て南天の枝お辞儀する
立ち止まりくしゃみ一発鬼の面
こおろぎと遠い時間の中に住む
餅搗きは俺の出番と老移民