伊藤園 お~いお茶新俳句大賞
第二十回
都道府県賞
広島県
お年玉ぼくは単なる受け取り人
ブロッコリーもじゃもじゃ頭が似合ってる
冬だけど君への想いは夏のまま
初夢を編集できたらいいのにな
卵焼き秋の日差しのような味
山口県
もち丸め失敗作は腹の中
まんまるい月をすすきで大そうじ
さよならを教えてほしい夏の海
笑顔にも春あふれだす通学路
秋桜の群がるよりもただ一輪
徳島県
でがらしのおちゃでまんぞくおとうさん
さかあがり下から青空踏んづけた
天気図に木枯らし一号隠れてる
封筒のインクの滲み梅雨便り
たんぽぽに地球の青さ聞いてみる
香川県
教室の声も一緒に卒業式
かくれんぼ三つ数えて夏終わる
雀よく鳴くや勤労感謝の日
自転車で北風小僧と朝を斬る
開きたる絵本の国に昼寝かな
愛媛県
夏休みぼくのえんぴつ旅行中
満開の桜のような一年生
愛犬も目だけで送る雪の朝
冬銀河昔の夢に思い馳せ
父帰る野焼きのけむり肩に乗せ
高知県
登校中会話の数だけ白い息
振り向けばすぐそこにある春の音
珍プレー笑いが絶えないスキー研修
花飾り少女の顔した祖母に逢う
返り花ゆうべ天使が降りたのね
福岡県
最強の秋刀魚のおともは白ごはん
図書室の本のにおいはあったかい
アルバムに記憶の糸が微動する
おかえりとご飯の匂いと母の背と
はればれと喜寿の名越を祓ひけり
佐賀県
オニヤンマお前にこの世どう映る
寝不足も君のマフラーできるまで
葡萄の実家族のように並びけり
一雨に想い流して春の暮
学舎の糸瓜にあだ名書かれあり
長崎県
お月さま池の中にぶんしん中
星空を猫も見たいと寄りそった
夏祭り太った金魚とにらみあい
コタツ布団めくるとそこに足の芸術
バッサリと切られし山茶花春を待つ
熊本県
嫌なことサイダーの泡と消え去った
温かき生命感じる萌える山
冬休みあぐらでギターをかき鳴らす
お~いお茶聞こえぬふりの母強し
振り向けば阿蘇乙姫に青い月
大分県
年の瀬にいろんな家がおしゃれする
かきの実がランプみたいにともってる
はごいたで自分の気持ち飛ばしてる
城下町紅葉に映る竹明かり
衣替一人の時間広がりて