受賞作品

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

佳作特別賞

温暖化地球が裂ける音ばかり

北海道 江田 三峰 73歳

米を研ぐ母の水音まだ昭和

秋田県 小林 春光 73歳

白線が残る校庭卒業す

埼玉県 角貝 久雄 73歳

年とらぬ影みちづれに初詣

千葉県 菊間 敏子 73歳

乳母車片手で開脚春の街

千葉県 比留間 丈夫 73歳

方言ではずしてくれる枝の凧

東京都 森本 和子 73歳

木菟と内緒話をしてみたい

神奈川県 金子 嵩 73歳

ハンドベル駅舎に響くクリスマス

静岡県 吉井 仁 73歳

侘助や幼なじみがひよっこりと

愛知県 森下 芙美子 73歳

これ写楽あれはピカソの福笑ひ

京都府 佐々木 信夫 73歳

子らもみな荷物持たされ暮の駅

大阪府 中西 スミ子 73歳

藁赤き古代米なり注連作

秋田県 藤原 洋子 74歳

校長の大きな顔に落花かな

神奈川県 島田 ひかる 74歳

路地夛き旧き街並風光る

兵庫県 新倉 三保子 74歳

頬被朝市の人声太き

茨城県 廣瀬 和喜 75歳

凧あげに父親の株上げにけり

埼玉県 宮田 昭歌 75歳

華やかな源氏絵巻や花の午后

東京都 井原 毬子 75歳

大根畑一直線に富士に伸ぶ

神奈川県 西岡 和之 75歳

家中で西瓜と平和の丸噛り

福井県 笹木 志津子 75歳

退屈の寄って来てゐる日向ぼこ

大阪府 寺井 満穂 75歳

金平糖分かちて春の日溜りに

島根県 池田 ツルヨ 75歳

用件を切り出す前にすするお茶

熊本県 和田 信敏 75歳

椋鳥の大群一樹をのみ込めり

北海道 羽賀 純子 76歳

種袋ふれば水恋う音がする

栃木県 川俣 百子 76歳

湯豆腐や湯気を分ちて五十年

新潟県 嶋 八重子 76歳

ようこそと椅子をすすめる日永かな

静岡県 金澤 澄子 76歳

走り根のところどころに蕗の薹

三重県 榎本 せい子 76歳

喝采に秋を奏でる混ぜごはん

香川県 三木 宏茂 76歳

春一番冬をけとばし通り去る

栃木県 七原 孝夫 77歳

薄き日を集めて杣の目刺焼く

東京都 瓜生 順 77歳

押入にしまひ忘れし余寒かな

東京都 森住 霞人 77歳

極楽へ少し間があり春炬燵

神奈川県 須佐 はじむ 77歳

冬うらら五百羅漢の五官かな

山梨県 清水 睦美 77歳

ふるさとは熊に注意の村となる

長野県 内川 伝夫 77歳

立春のカステラ厚く切りにけり

大阪府 坂本 安子 77歳

十二月八日きりりと髪束ね

兵庫県 土居 信子 77歳

鴬が来てゐるという嫁の声

埼玉県 前田 美智子 78歳

万太郎好みの猪口やどぜう汁

東京都 北山 雅義 78歳

健啖は昔のことよ雑煮餅

岐阜県 林山 章三 78歳

鉛筆のコトリと落ちし寒さかな

佐賀県 原 峻一郎 78歳

セーターにふとポケットのない不安

北海道 西明 英男 79歳

牛乳の大きなコップ若葉風

福島県 齋藤 正 79歳

寒牡丹紅のひとひら落としけり

茨城県 吉田 都代子 79歳

交番から戻ってこない蝶がいる

千葉県 はら おさむ 79歳

音沙汰という風吹くあたり梅三分

東京都 豊田 イサ子 79歳

病室に蛍放つを奢りとす

福井県 寺井 富三郎 79歳

行く秋や性善説に棹をさす

三重県 小林 秀夫 79歳

不知火の見ゆる駅まで切符買う

福岡県 牟田 正 79歳

薬より美人ナースで快復し

東京都 土方 昭光 80歳

金髪を黒に戻して卒業す

東京都 岡林 俊子 80歳

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