伊藤園 お～いお茶新俳句大賞
第二十回
佳作特別賞
桜散り日本の祭り一つ終え
冬木の芽空の蒼さに答えけり
ＵＦＯも溶け込む様な冬銀河
コーヒーを立てる間の夕立かな
朝霧にパン工房の匂いかな
やがて来る銀河系から給水車
烏瓜どのスイッチを押せばつく
行く春の名残を惜しむ花筏
満月を龍馬が背負う桂浜
寒の水注し晩学の筆を持つ
地図の海およぎきつたる夜の蟻
騎馬戦の先頭の子の声がわり
目を入れて白極わまれり雪うさぎ
おにぎりが百倍美味し梅日和
花屑に染められてゆく石の段
やりくりを妻にまかせて無一文
急ぐこと何もなけれど夏帽子
夏期休暇右脳左脳も遊ばせて
光る野におんぶばったの愉悦かな
急がぬと決めて団子や秋遍路
公園に響く親子の否定形
着ぐるみの汗だくゴジラ戦闘中
みな昼寝先住民のレストラン
大夏野馬体に刻む名字かな
あっちむいてぷいのまんまや十三夜
春光に螺鈿の青の動き出す
炎天やいづこの道も地のほてり
芋を掘る園児地球をゆさぶって
欲出すな花も見頃は八分咲き
他所行きも着ぶくれてゆく母が好き
終電の過ぎしホームに雪女
賽銭の尽き果てにけり福詣
疾すぎて手で押えたくなる時間かな
石けりの小石包める春の草
作るほどに大きくなりぬ草の餅
涙ため大きな返事卒業す
古稀すぎてなお靴軽き更衣
春立つやことりと開く木の扉
点滴に春の力をもらいけり
花木瓜や母のよろこぶ金平糖
雪の峰ひそめ潤おう最上川
田じまいの煙一筋遠筑波
夏掛けの我より孫へ移りけり
水音が鳥になるまで絞りけり
あいうえお「ん」迄書けて卆園し
クレパスの全色春の色となる
絵本より踊り出でたるハローウィン
初日さす窓の結露の耀きぬ
怪獣のおならという子春一番
ままごとやひょいととかげの客が来る
