伊藤園 お～いお茶新俳句大賞
第二十回
佳作特別賞
年明けが地球の表面かけぬける
今朝もまた集会ですかすずめさん
受験生父は娘に茶を淹れる
嫉妬する貴方の肩の花びらに
受験票強くにぎって足運ぶ
時計台いくつもの恋知っている
スケジュール埋める楽しみ冬休み
転がせば逞しくなる雪だるま
廃線に一輪咲いた彼岸花
切りすぎた前髪そよぐ新学期
七色で描ききれない子の夢路
水中花涙一粒抱きしめる
不合格人生終わるわけでない
デジカメで収める空の美術館
「ご苦労様」ボランティアしてて良かったな
成績はまっさかさまに落ちる滝
燕の巣自転車止めて立ち止まる
手を繋ぐ僕のホッペは林檎色
砂時計過去と未来の境界線
蓮華草ヒーローになどなれなくて
先生の笑えぬギャグに目をそらす
夜の空飲み干す心に星が降る
神無月神はどんなこと話し合う
鈴の音が聞こえてきそうな秋の夜
ねがいごと銀河を舞って届くかな
好きな色いくつも答えたおさげ髪
有明海夕日に映ゆるのりの竿
恋愛の方程式解く春うらら
群青がはだしでかける夏の空
二次元に恋をしたっていいじゃんか
テキストの文字がかすんで春うらら
いらいらを静めてくれた空の虹
カラフルなあなたへの恋詰めこんで
靴ひもといっしょにほどけた僕の夢
君のつく優しいウソが好きでした
黒猫も家族そろって大晦日
傘さして雨のワルツを聴きに行こう
春風が新たなチームの背中おす
母の日に夢いっぱいの花束を
宝船君に着くため帆を上げる
祖母の手をせーので握る杖の役
雨音の鍵盤あそび眠くなる
春風と私が通る桜道
パソコンを消せずに冬の夜は静か
雪だるま家の中にも一人いる
悩む時太宰もカントも友となる
春の庭パステルカラーが似合ってる
あとわずか高校生のカレンダー
サボテンのとげより痛い恋の花
クリスマス独りですごすボールペン
