伊藤園 お~いお茶新俳句大賞
第二十回
佳作特別賞
屋上は基地が見える美術館
お汁粉見て太ももを見て考える
ツバメの子我よ我よと生きている
青春という名の海に飛びこんだ
懐かしき日々と似ている夏祭り
冬の朝おきると春のにおいがする
年賀状一枚羽織り取りに行く
初詣列の後ろにフランス語
勉強中頭の中に蝶が舞う
初景色伊吹の山はりんりんと
キラキラと睫毛にメイク雪の粒
雪の日は半分うれしく半分憂うつ
雪景色色々隠し世間かな
五月晴窓全開でギター弾く
ふわふわの涙だなんて粋な空
気がつけば本気になってる潮干狩り
定期券使える範囲に別世界
紀ノ川にそうめんいっぱい流したい
豪快に三振奪った君が好き
雨の中散歩と称して君を待つ
木々を見て冬が来たなとふと思う
マフラーの端をひっぱる冬の風
坂道を登りきるまで青春だ
肉まんを愛情そえて半分こ
零だって見方変えれば可能性
君想う雪降る街の交差点
特急は枯野の中の風のよう
春風よ世界の戦い止めてくれ
張りつめた空気をさいてゆりかもめ
水滴の一つ一つが月の檻
目標は紙ヒコーキの距離くらい
かまきりが我が家を守る用心棒
教科書がねむいねむいといっている
正月が脂肪を残して去ってゆく
夕立は猛暑の中の句読点
図書館の窓のむこうに赤トンボ
畜産科子牛にいつもどつかれる
たくさんの痛みが溢れるガラス玉
雪景色全てを白紙に戻したい
雪ぼうし椿の花も春を待つ
オムライスケンカした日の晩ごはん
硬球を捕る手が痛い冬休み
雪合戦日頃の恨みをにぎりしめ
早弁は女の意地で我慢する
なけなしの春を探して右左
雛人形かすかににおうナフタリン
反抗期終えて寂しい今日の自分
遅刻より金魚が心配冬の朝
除夜の鐘テストの点数消してくれ
縁側で母との時間ラムネ味