伊藤園 お~いお茶新俳句大賞
第二十回
英語俳句の部 大賞
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summer heat
in the shadow of a chimney
pigeons gather 訳/ 炎暑煙突の影に鳩が集まる燃えるように暑い日、煙突の影がくっきり、黒く屋根にかかる。鳩たちもさすがに涼をもとめて、そこに身を寄せあうのだ。煉瓦でがっしり組まれた堅い煙突と、やわらかい生き物の群れが対照的に目に浮かぶ。冬の暖炉用の煙突は、無用の夏にも鳩たちには役立っている。オーストリアからの投句で、その地の様子が生き生きと表現された。
英語俳句の部 優秀賞
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gathering clouds
a sparrow balances
on a wheat stalk 訳/ 群がる雲雀が小麦の茎でバランスをとる -
autumn dusk
in my boots' depths
a lone ladybug 訳/ 秋の暮ブーツの奥に淋しく天道虫(てんとうむし) -
a callused hand
studying
the fruit 訳/ 胼胝(たこ)のできた手が果物の品質検査 -
falling blossom
parents hover
by the school gates 訳/ 散る花校門で親たちがうろうろ待つ -
dusk settles
into the rice stubble―
a sickle moon 訳/ 夕闇が稲の刈り株におりる―三日月 -
long winter
the cat sniffs daffodils
with suspicion 訳/ 長い冬いぶかしげに猫がらっぱ水仙を嗅ぐ -
winter rain
the lake creeps
under the fence 訳/ 冬の雨湖が忍びよる柵の下へ -
dawn
the trees filter light
and bird songs 訳/ 夜明け木立を漏れる光と囀り
英語俳句の部 審査員賞
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Many little acorns
Put on their hats
And begin a long journey 訳/ 沢山の団栗(どんぐり)が帽子をかぶって長い旅へ出るドングリ(団栗)は、下部が椀形や皿形の殻斗(かくと)で包まれている。それを「おわん」や「はかま」と呼んだりするが、この句では「帽子」に見立て、かわいく新鮮。それをかぶって沢山の団栗が前途多難な旅へ出発する。「長い旅」に作者の深い思いがこもる。
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morning park
autumn air rolls
in tai chi arcs 訳/ 朝の公園秋の空気が流れ入る太極拳の円弧に早朝の秋の風が舞っている様を、優雅で流れるような太極拳の動きで表現している。とてもダイナミックで、想像力に富み、そして意外なイマジネーションである。
英語俳句の部 後援団体賞
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The rainy season
alumni association
of umbrellas 訳/ 梅雨傘々々の同窓会