伊藤園 お~いお茶新俳句大賞
第十二回
優秀賞
小学生の部 (幼児含む)
えのぐにはないお日さまがのぼってる
なわとびの中に入って風もとぶ
信号機てんめつしながら年をこす
ふきのとう小さな小さなブーケです
スポーツを魚みたいに群れてやる
雨あがりくものネットは観覧車
てい電中いっそうはげしい雨の滝
中学生の部
なわとびが突然切れた寒さかな
ジェットコースターのようにそうめんのどを通る
片手だけ手袋をぬぐ改札機
眠たいと思った瞬間鳥になる
点滴のフックにつるすサンタかな
足裏で風鈴の音聞いている
受験票紙ヒコーキにして飛ばしたい
高校生の部
手につつむひまわりの種熱を持ち
朝っぱら死ぬんじゃねえか冬部活
本当はみつけて欲しいかくれんぼ
初詣着メロかしわ手鈴の音
あの虹はきっとうちから出てるはず
さよならとあげた右手がおろせない
豆投げて毎年怒る母がいる
一般の部A (40歳未満)
未来ごと透かしてゐたり金魚玉
カーテンを桜色にし冬終わる
夏の波くちづけのようナイフのよう
水底のような林にわれひとり
水着から太平洋を絞りだす
失恋し鍋のハクサイ気分かな
終わりなき子育てに似た寒い冬
一般の部B (65歳未満)
泣くもんかなずなが昨日より青い
白椿びっしり美少年流行る
廻り鮨あまたの季語を喰ひにけり
あの家は老人二人雪二尺
虹の根に住みて媼となりしなり
少年とずっと八月十五日
一般の部C (65歳以上)
人体の薄いところに百舌鳥のこえ
乗ってすぐ眉描く少女枯野バス
園丁は蛇の長さを放任する
アイシャドー羽化始まりぬハイティーン
鷹柱いま大那須の風を呼ぶ
炎昼や蛇口の水を顔で飲む
だんまりも言葉の一つどんどの火