過去の受賞作品

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  • 過去の受賞作品 第十二回 

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

審査員奨励賞

辻仁成選

マンションはやねよりひくいこいのぼり

兵庫県 山中 康平 7歳

歌で聞く鯉のぼりと、目で見たギャップを表現している。少年の目の高さで見ている世界観に心を動かされた。

津根元潮選

学校は家より笑える所です

大阪府 近藤 貴美子 10歳

学校から帰って、家では無表情だがそんな学生にかぎって学校では休憩時間や授業中でも笑顔を見せて自分自身を開放しているものだ。

金子兜太

目の前で鯖をさばいたお父さん

岐阜県 尾関 圭市 15歳

親父カッコウいいぞ、と手をたたきたい気持ち。それも特別なものではなく、鯖だからよい。生き生きしている。

松本恭子選

コンパスをまわすと一人のバレリーナ

埼玉県 斉藤 理恵 16歳

「バレリーナ」とは、いかにも女性らしい感性の発想です。少女期の弧を描く心の中まで想像できそうです。

森澄雄選

女同士母と初めて恋の話

千葉県 福岡 真弓 17歳

作者は十七歳、高校二年生か。まだ真剣は恋の経験もなく、恋に憧れる年頃か。母子の心の通ふほほえましい情景。

土屋耕一選

力抜いて流されてみる春の川

神奈川県 北村 容子 35歳

肩から力を抜きなさいと言われても、簡単には抜けるものではない。春の川のやさしさが、それを可能にしたのです。

いとうせいこう選

産声は80ホーンのまっかっか

北海道 高木 恵美子 62歳

赤ん坊の生命そのものをつかみ取ったような句です。生れたてのパワーがビンビン伝わって元気になります。

吉行和子選

梅咲くや「おい」と云ふ名になりきって

群馬県 城田 鶴代 70歳

この、なりきって、というところに強さを感じさせます。決して、「おい」だけではない、自分の人生もあるわよ、と言っているようです。

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