受賞作品

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

佳作特別賞

ただいまの声がピョンピョンはずんでる

滋賀県 和辻 麗子 39歳

古書店に転がっている夏休み

東京都 宮坂 美香 40歳

立読みの肩の触れ合ふ十二月

青森県 古川 和子 42歳

屋根裏に青蛇居たり籖を買う

静岡県 田名瀬 新太郎 45歳

夫すぐに記者の目となる消防車

長野県 縣 展子 50歳

大根をわが子のように抱き上げる

愛知県 加藤 学 50歳

雛壇の一人となりて妻がいる

大阪府 鈴木 茂雄 50歳

バレエ好きつま先ちょっと立ててみる

大阪府 中西 佐千代 51歳

夜桜や猫やわらかに宙に消え

兵庫県 志茂 哲郎 51歳

何もしないという贅沢もあり新茶くむ

東京都 伊藤 亜無 52歳

冬銀河猫の孤独とすれ違う

東京都 平原 りの 52歳

皮ジャン着てバイクに乗る母喜寿をすぎ

静岡県 村松 厚子 52歳

春日や市民課に置く老眼鏡

北海道 鮎川 由美子 53歳

原宿がいつしか巣鴨散歩道

東京都 吉田 正子 53歳

夕焼をすくい取ってるパワーショベル

大分県 岸本 千鶴子 55歳

春の雲ちぎれて眠りこける母

千葉県 福田 柾子 56歳

暑中見舞最後に愛と書きしかな

愛知県 渡辺 修 57歳

なあばあさんはいおじいちゃん日向ぼこ

北海道 村山 紀之 60歳

豆しぼり背中で眠る夏祭り

新潟県 桑原 朝子 60歳

味気なき世といふなかれ唐辛子

静岡県 米山 潤三 62歳

何となくおわれるごとく落葉焚く

兵庫県 岸 慶子 62歳

水餅の上ゆく淋しい帆船が

愛知県 とうむら みよこ 63歳

夜濯の小物ばかりを叩き干す

兵庫県 田辺 公恵 63歳

図書館といふ深山や西行忌

東京都 渡邉 遼水 64歳

白梅や独りのときも背を正し

千葉県 土屋 世津子 65歳

無印の家です今は立葵

神奈川県 金子 経子 65歳

手話の子のつぶらな瞳桃の花

愛知県 梶田 道子 65歳

毛糸編むロシア民謡愛しをり

愛知県 中村 実 66歳

朝刊のまとひし秋気ひろげをり

広島県 岡田 幸 66歳

真夜中の妻のハミング菖蒲風呂

大分県 井元 誠司郎 66歳

みどり児の手相くっきり星涼し

埼玉県 藤井 順子 67歳

春うらゝ乳歯光って屋根の上

新潟県 金井 智代 67歳

分別の果ての独りに至福の茶

東京都 落合 昌子 70歳

人参の人参色で冬はじまる

東京都 高本 松栄 70歳

正月の面白くなる齢かな

岐阜県 山村 忠男 70歳

みどりごをころがして拭く十三夜

滋賀県 清水 良次 70歳

入道雲お前は誰の門番か

千葉県 河原 詳次 71歳

一人にも夕支度あり大根たく

徳島県 猪子 梅子 71歳

夢のひとつは歩いて陽の中花の中

神奈川県 印南 房吉 72歳

裸拭くたびに自分を消してゐる

静岡県 西場 栄光 73歳

一からの数の終りの天の川

茨城県 岡野 一郎 74歳

雪解かす風あり人生肯定派

東京都 松本 茂 74歳

鴉にも美声のありて春隣り

愛知県 西谷 千枝子 75歳

ピーマンの色で迷っている料理

新潟県 野沢 正二 76歳

たくましき少女の腿の五人抜き

静岡県 堀内 陽雄 76歳

初蝶の風見つけては乗り移り

広島県 石田 黄雀 78歳

右肩が凝ってるバスの二人席

千葉県 猶原 繁野 79歳

春昼や引けば鳴るなり小抽出

広島県 世良 元子 79歳

紙風船畳む中より笑い声

兵庫県 村山 孝雄 81歳

銭湯の富士の麓の御慶かな

東京都 星野 敏夫 88歳

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