伊藤園 お~いお茶新俳句大賞
第十二回
佳作特別賞
ランドセルおんぶしてよと甘えてる
タックルでたおされて見る秋の空
あかぎれの母のゆびたちなでてやる
おさつにもアイロン母はせんたく好き
むらさきをじまんしているふじの花
あと一歩ぼくもあるけば春になる
新年の星見とどけてからねむる
こがらしにサッカーこぞうは負けないぞ
冬のまどそれはみんなのノートだよ
母のこしさするようにはんが刷る
空店ぽまたふやす街鳥わたる
海のにおいじいちゃんの家近いはず
電線を雨のしずくがロープウェー
こわい犬春の日差しでねこの顔
参観日授業も母も見失う
マラソンで後ろの風がおそろしい
ブーメランとばすとんびの回る下
ミツバチのダンス真っ赤なバラの上
石舞台中から見えた春の空
たっぷりと落ち葉重ねておとしあな
グローブにジーンとしみるストライク
オリオンのおしゃべり聞こえる午前二時
ネコの耳ぴんとたってる遠花火
みーつけた春のしっぽをみーつけた
春風に次の自分を探しだす
えんがわにすわってスイカのたねとばす
SOS私の叫びに気づいてよ
りんごの木元気の分だけ実がなるよ
朝顔のつるが引っぱる秋の気配
ひまわりも見とれてしまう青い空
猫をだき祖母と話した冬休み
逆立ちしいつもとちがう春を見る
雪化粧負けじと姉も厚化粧
日だまりに寝ている犬の目のほそさ
20世紀最後になった夕日見る
ママの笑みそれは私の羽となる
東大寺夕立をよぶ雷神像
朱の色がさらに深まるかごの柿
落ち葉舞い風の軌跡をかい間見る
夕焼けは恥ずかしがってる太陽だ
末っ子の足袋をいやがる七五三
大とんど人が自然に輪を描く
遠花火夜空で一つ夢くれる
手の中の小さな小さな月の船
新世紀マウス片手に世界知る
かわいいね君の顔色リトマス紙
雪だるまなんでそんなに無表情
秋桜や空に飛びちる好き嫌い
女子高生足に直撃冬の風
画用紙にはいりきらない夢描く