過去の受賞作品

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  • 過去の受賞作品 第三十二回 

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

英語俳句の部 大賞

  • Long-distance running
    I don't want to do it
    Long-distance running 訳/ 長距離走ぼくはやりたくない長距離走

    愛知県 宮地 慶 12歳

    校庭を走る長距離走をイメージしましたが、長距離走はなかなか終わりがなく、しかもマスクをしていて息苦しいので、好きではありません。しかしそれは今のコロナ禍と共通すると思い、それらを併せて、学校生活での自分の正直な気持ちを表現しました。また同じ語句を二回使って俳句らしさを出そうと思いました。

    「予算は31万円しかないから大事に使え!」 短歌の師匠は、歌作りを経済活動にたとえて、ぼくを指導していた。俳句の予算ときたら、もっと少なくて17ぽっきり。英語でもHAIKUは一番短い定型詩であり無駄なワードは禁物。となれば第三十二回のこの大賞作品は駄句だろう。長距離走という、俳句に向かない題材だし……いや、しかし、にもかかわらず、名句だ。主人公はイヤイヤながら部活をやらされ、そのしんどさを中心に据えて、あり得ない反復を使い、これまでの作句のメソッドを壊した。「無駄使い」ではなく「離れ業」だ。 (選評 アーサー・ビナード 日本語訳 星野 恒彦)

英語俳句の部 優秀賞

  • remove the mask
    I saw it for the first time
    my friend's face 訳/ マスクをはずして初めて見たわ友の顔

    滋賀県 川島 綾弥香 13歳

  • First sunrise
    A drone takes a picture
    of the Tower of London 訳/ 初日の出ドローンが撮るロンドン塔

    東京都 金子 優太 14歳

  • Due to coronavirus
    My class door was taken away
    North wind blowing now 訳/ コロナウイルスのせい教室のドアが取りはずされいま北風がビュービュー

    千葉県 在原 一真 14歳

  • in an unfamiliar land
    I found
    hometown apples 訳/ 異郷で故郷のリンゴを見つけた

    埼玉県 佐藤 翠 16歳

  • Please take me to school
    But my true wish is
    Time with father in the car 訳/ 私を学校まで送ってでも本当の望みは車中での父との時間

    静岡県 吉田 佳鈴 16歳

  • anniversary photo
    my father smiles
    at last 訳/ 記念写真お父さんがようやく頬笑む

    大阪府 豊見山 絵梨香 17歳

  • taking a break
    I hold my breath to hear
    the mountain's voice 訳/ ひと休み山の声を聞こうとかたずをのむ

    イタリア Valeria Tsekhmaystrenko 41歳

  • busy pond
    students with backpacks
    watch the turtles 訳/ にぎやかな池バックパックをしょった生徒らが亀らを見ている

    アメリカ Agnes Eva Savich 44歳

  • more kids
    than pieces―
    maple fudge 訳/ 子どもの数が個数より多い―メイプルキャンデー

    カナダ Luce Pelletier 61歳

英語俳句の部 審査員賞

  • 星野恒彦選

    the laundry
    after it's folded up
    full of personality 訳/ たたまれたあとの洗濯物は個性ゆたか

    徳島県 藤川 佳歩 17歳

    洗濯は基本的な家事ですから、いろいろと詠まれています。でも、取り込んで畳まれた洗濯物を、オブジェのように見ている所は新鮮です。「個性ゆたか」はそれを着る人の個性の反映か、畳んだ人の個性の表れか、読み手の想像をかきたてます。

  • アーサー・ビナード選

    pet shop
    I look at a puppy
    a clerk looks at me 訳/ ペットショップぼくは子犬を見る店員はぼくを見る

    東京都 保木 拓真 16歳

    ペットショップのストラテジーは巧妙だ。売られる商品の子犬や子猫を広告塔に使う。冷やかし客を「飼い主」に変えるための引力は、愛らしい円らな眼から発せられるのだ。作者は子犬の視線にほだされてじっとlookしている。店員もまたlookに集中するが、それは客の心理の経過観察だ。

英語俳句の部 後援団体賞

  • 国際俳句交流協会選

    strawberry fields
    the sunburnt faces
    of the farmworkers 訳/ 苺畑農場労働者たちの日焼け顔

    アメリカ Margaret Chula 73歳

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