伊藤園 お~いお茶新俳句大賞
第三十一回
優秀賞
小学生の部 (幼児含む)
まん月がはしるぼくらをおいかける
秋深しアルミホイルで折ったつる
だらだらと計算ドリル文化の日
妹が春風背負ってついてくる
書き初めの字が大きすぎ小さすぎ
空気まで直立してる卒業式
窓を見る一枚の葉が会いに来た
中学生の部
ニュートンと闘う夜のソーダ水
首里城が海から見えたあの頃は
友達と解答違う空っ風
ヒマワリがそっぽ向くほど逃げたい日
赤とんぼとまった場所で風を読む
制服の初めも終わりも合わぬ丈
大みそか気分が先に年をこす
高校生の部
クリスマスなにもなかったわけじゃない
好きな子の髪が短くなっていた
静寂やひとかき重く水底の夏
大根を引いて勇者の心地なり
渡り鳥誰も知らない物語
今ここで言ってしまえと蝉が鳴く
哲学が生まれた理由扇風機
一般の部A (40歳未満)
ただ君と宇宙の話をしていたい
流木は黄泉のものなり蝶の昼
沐浴のように葡萄を洗いたり
付いてないストーブに寄る子猫たち
トマトにも表情がある入籍日
ようしゃべる植木屋に蝉ぶつかった
おとうとに白髪勤労感謝の日
一般の部B (40歳以上)
深夜二時の看護婦深海魚のごとく
干し柿も笑っちゃうほど日本晴れ
乱読の果ての鉄道時刻表
あなたより鼓動の早い兎抱く
突き刺さることを忘れて氷柱かな
廃炉遠したわわに実る夏みかん
ほめられしことが形見や星月夜