受賞作品

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

都道府県賞

広島県

あたたかいおちばにうもれて虫きぶん

倉重 玲 7歳

おち葉にはひろってほしい夢がある

末光 絃 10歳

春浅し地図に頼らず歩く道

平島 知紘 14歳

鮟鱇や釣られたことを知らぬ顔

渡部 竜巳 29歳

調律のミの音連打春の午後

谷口 幸子 70歳

山口県

卒業式「はい」の二文字が震えてた

村本 力哉 18歳

冬こたつパズルみたいな足の位置

中野 真椰 24歳

きびだんごなくてもあなたについていく

稲本 友里菜 26歳

巫女着替へ我に戻りて夏帽子

大賀 弘子 57歳

木漏れ日のここが妻との指定席

岡 輝明 59歳

徳島県

さっそうと夜警の父の背を誇る

遠藤 由依 16歳

重低音チューバの音が響く夏

関本 莉那 17歳

金木犀私にちょうどよい友人

小倉 奈々 40歳

宇宙地図広げ銀河の舟に乗る

樫本 一美 67歳

少年にタックルされる案山子かな

武市 忠明 84歳

香川県

春の虫図かんをもってあいにいく

氏房 知哉 9歳

弓引いて静寂の間に伝う汗

松山 葵 16歳

新聞で誰かの昨日覗き見る

田中 希望 20歳

月光の蒼き世界の魚となり

宮脇 充広 54歳

大仏に会いにゆく道蝶つれて

布戸 道江 76歳

愛媛県

マトリョーシカ五人兄弟春近し

吉田 蓮 8歳

単語帳角の反り癖冬深む

大川 香凜 17歳

点眼薬落ちきるまでの冬銀河

湯川 潤 40歳

隅っこは泣いていいんだ蕗の薹

矢野 薫 46歳

白菜を漬けて明日を疑わず

則包 秀子 90歳

高知県

サンタさん解約したと母は言う

除本 律生 14歳

ウミガメはわたしであなたは夏の月

土生 絢萌 15歳

金管に唇あてて冬来る

谷岡 真衣 41歳

小児科の春めいている日差しかな

田村 由花 61歳

潮騒を聴いてあなたは海となる

土居 修 62歳

福岡県

タンポポはしっかり立って心強い

田中 栞和 11歳

稲刈られ僕と電信柱だけ

龍 浩希 16歳

教え合う手慣れぬ新たなネクタイを

小林 優佳 17歳

青空に傘を持ちたい一歳児

好山 江里奈 31歳

いちばんに八百屋に春が訪れる

吉丸 玲子 61歳

佐賀県

北風がさくら色に変わりだす

古川 美祈 11歳

手をのばし乾布摩擦柿干しゆれる

川原 麻稟 12歳

上下と右と左に夏の声

徳永 拓也 29歳

蝉時雨身の丈以上に伸びた猫

井上 野々花 33歳

その道でいいのと問うてる秋桜

森永 央子 47歳

長崎県

空蝉の真似して脱いだユニフォーム

神浦 はる 15歳

年末の最後の一分ふり返る

町田 礼 17歳

ぎいと鳴る廊下かけゆく半ズボン

川下 璃杏 19歳

ドビュッシーの青き旋律夏の夜

相川 正敏 63歳

渋柿に生き方のコツ聞いてみる

田中 政則 71歳

熊本県

雪だるま冷凍庫の中秘密基地

福島 蒼惟 7歳

初日の出暗い大地が光出す

甲斐 仁斗 12歳

大根がはやく食べてと土の外

北原 希望 17歳

じりじりとじわりじわりと夏の音

坂本 謙三 49歳

太陽の熱を確め苺摘む

今村 サワ子 78歳

大分県

姫に騎士守る姿は田に案山子

柴田 幸人 15歳

父ちゃんが教えてくれた鰯雲

鞭目 直仁 16歳

バス降りて頬に感じる冬の声

村岡 侑樹 19歳

一湾に天使の梯子風光る

押谷 隆 72歳

いい人を止めたる余生ねこじゃらし

岸本 千鶴子 74歳

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