伊藤園 お～いお茶新俳句大賞
第三十一回
佳作特別賞
花吹雪澄んだ空気を溶かしきる
プラ容器から今救い出す桜餅
「外線です」葡萄いそいで噛みつぶす
我もまた役者となりて観芝居
君よりも君を知りたい春の星
初雪や舞台去る日のトゥシューズ
アイドルになれる骨格福笑い
冬三日月裏まで見えてしまいそう
だいじょうぶ眼の笑つてる冬苺
無防備の後ろ姿や夏座敷
コスモスのＬ字Ｌ字に起き上がる
蒟蒻玉祖父もごろりと転がれり
霧の中シネマのように列車来る
つと走り石の狸に芝火果つ
人文字の点になりきる運動会
きの下でよこにねているまつぼっくり
とれないな見つめる先のラムネびん
はるをまつどうぶつたちがかくれんぼ
こいのぼりかん字の八になっている
風ふいてカマキリの角うごいてる
おり紙にいのちふきこむまほうの手
こうひつできれいなもじをかきました
大空で風とじゃれ合うたこ上げよ
おちば山ローラースケートつっこむぞ
氷はりクルクルクルとくつのダンス
春空に雲のたび人あらわれた
ランドセルきれいな赤で出発だ
プレゼント春風さんからとどいたよ
あみだくじ誰になるかな灯油入れ
最強のようかいの名はこたつくん
水分とみんなの笑顔をわすれずに
筆箱がカタコト歌う帰り道
夕やけに切り絵のような時のかね
ドアあけていそいではしるこたつまで
書きぞめでやっと書けたよ「り」のはらい
電線はスズメとスズメのネットワーク
いつまでも話し合ってるススキかな
子鳥たちたこといっしょにまい上がる
冬の朝ねこのねがおで温まる
どんぐりがコツンと秋の合図する
パックしておどろく顔が雪女
目をつぶり夢見るあの子は桜の木
いちごがり甘い宝石みーつけた
愛犬もお手をしながらお年玉
ぬれたまど夕日と光る虹の橋
風鈴をあの三日月に吊るそうか
船長の声と共鳴鰤起し
天の川炭酸の泡溶けるよう
思い出はシロツメクサが守ってる
絡まったわかめと遊ぶ夏の海
