受賞作品

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

佳作特別賞

初めての弁当箱に散る桜

広島県 吉川 恭平 17歳

向日葵は君におくる花言葉

広島県 井上 京香 18歳

パソコンを使うばあちゃん猫背の背

広島県 藤井 霞 18歳

稲を刈る近くにいつも鳥がいる

広島県 瀨川 貴夫 18歳

コシヒカリふっくらもちもちいい顔だ

広島県 吉井 蒼波 18歳

がんばって胸ポケットに母の声

広島県 朝枝 唯 18歳

年酒酌む父の話は三巡目

広島県 松川 小百合 20歳

球場の声が途切れし晩夏かな

広島県 大森 智仁 23歳

おしるこがベテルギウスに澄み渡る

広島県 市川 俊介 31歳

エアコンの温度で揉める父と母

広島県 太田 綾子 32歳

風光る左右にゆれるランドセル

広島県 北川 佳子 54歳

七種と云ふ唇はふれあはず

広島県 平本 琴恵 56歳

前世は鳩のようですさや豌豆

広島県 畠山 厚子 56歳

まな板に地球が見える冬の葱

広島県 武藤 研吾 63歳

着ぶくれて紙の鍬振る童話劇

広島県 筈谷 美保 70歳

五十階とや天辺の干蒲団

広島県 石橋 康徳 78歳

如月や触るれば曇る銀食器

広島県 神原 三千枝 79歳

枯蟷螂社会の色に染まりゆく

山口県 加世 智彦 14歳

打水をすれば声出るアスファルト

山口県 永野 誠直 14歳

静寂を押しのけて咲け寒椿

山口県 坂本 亜樹 15歳

最初はパー笑う反則小さい手

山口県 岡村 美也 16歳

若葉風バレエシューズを干しにけり

山口県 清水 瞳美 16歳

もっともな顔して揺るるねこじやらし

山口県 田中 来海 16歳

笑うたび割れるくちびる冬の朝

山口県 新森 碧 16歳

風薫る風車の回る我が故郷

山口県 久保田 歩夢 16歳

つきたてのもちに何を着せようか

山口県 澤田 栞 17歳

筆を持ち紙に走らせ冬籠り

山口県 福嶋 さくら 18歳

膝にゐるやや子も重し花疲れ

山口県 林 由梨 27歳

アスファルトじゅっと染み込む濃ゆい影

山口県 山田 歩実 29歳

電卓の音に紛れたにわか雨

山口県 岡野 美紀 32歳

突っつけばこぼれ落ちそな冬銀河

山口県 廣瀬 佑菜 35歳

約束を千年杉に託す夏

山口県 帆足 鮎美 38歳

裸木と男一人が日曜日

山口県 渡邉 貴之 43歳

素粒子を語りたくなる月の夜

山口県 甲斐 和雅 44歳

街灯のスポット浴びて六花舞う

山口県 福本 佳恵 55歳

臨月をふわりと包む春コート

山口県 平川 扶久美 63歳

藪椿川面に降りて船となり

山口県 則常 孝子 65歳

七色の洗濯ばさみ春きざす

山口県 奥 みずき 68歳

名もなき日常金魚の目の放心

山口県 魚谷 宏子 74歳

ジャスミンのいよいよ匂ふ空屋かな

山口県 山根 瀧子 84歳

たきびしてかみさまみてるわたしここ

徳島県 中垣 直子 7歳

ふるさとが音楽室から流れでる

徳島県 山本 知世 16歳

渦潮に映る初日が目をまわす

徳島県 西野 史絵 17歳

海風が部屋のなかまで押し寄せる

徳島県 座波 世奈 23歳

満月を磨こうとする小さき手

徳島県 安藝 達也 46歳

夕方の余白を埋める生ビール

徳島県 青木 慧 76歳

肩書は踊る阿呆の阿波おんな

徳島県 島 美代子 77歳

風光る金平糖の甘さ立つ

香川県 祖一 志帆 15歳

寒いよねその一言で近づける

香川県 池田 明泉 15歳

秋の声水面に沈む透けしもの

香川県 髙橋 大成 21歳

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