伊藤園 お~いお茶新俳句大賞
第三十回
優秀賞
小学生の部 (幼児含む)
学校がみたいと泳ぐこいのぼり
がい灯に自分のかげをぬすまれる
北風は鉄棒冷やし去っていく
じいちゃんのもちつまらんかと見はっとる
赤とんぼおひさまがすきだから赤
じいちゃんの生き方を知る梅の花
ビー玉に映る花火は青色だ
中学生の部
夏の空許されている時間かな
らっきょうがドスンと居座る祖母の家
春惜しむ約束なしのそれじゃまた
打ったらホームランになりそうな蜜柑だ
やまいもや縄文からの皮をむく
どの色で生きていくのか決めた春
赤点の我の味方よ空っ風
高校生の部
片思いきっと寒さのせいである
銀杏やジュラ紀の風を覚えているか
夏よりも冬が似合う人でいたい
今日踏めば今日の音ある落ち葉道
太陽と蟹がバケツの中にいる
さみしくて鯨に乗って会いに行く
春寒やナウマン象の歯の化石
一般の部A (40歳未満)
日向ぼこ焼きそばパンの味が濃い
立春やジンベエザメの立ち泳ぎ
初蜜柑手紙を開くように剥く
妻が言ふ秋刀魚も嘘も目でわかる
去る人と一駅歩く春の雨
こんな日も一人で餅を焼いている
雪ふれば五百羅漢のにぎやかさ
一般の部B (40歳以上)
なまはげに膝サポーター春よ来い
くるぶしも深呼吸する春デニム
自由席大人一枚枯野まで
一本の鰤泰然と出刃を呑む
水を打つ夢が希望に変わるまで
まず海を見に行く帰郷白日傘
故郷の雪かも知れぬ上野駅