第三十回 | 伊藤園お～いお茶新俳句大賞

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過去の受賞作品第三十回

伊藤園お～いお茶新俳句大賞

第三十回

佳作特別賞

夕暮れの色と匂いのアコーディオン

静岡県　櫻井　智仁　29歳

帰り道タラの芽片手にスキップす

愛知県　楠　秀美　29歳

木枯しが窓を叩くも居留守する

広島県　岡光　美徳　29歳

まどろんでみて気づきたる虫の声

広島県　坂本　美咲　29歳

コスモスに映える二人の薬指

福岡県　森　正幸　29歳

ふわふわと子どもの髪で香る春

北海道　油木　七菜　30歳

菜の花が古墳の秘宝隠してる

宮城県　檜野　美果子　30歳

マスクして自分を隠すラッシュアワー

栃木県　津村　慧　30歳

アトリエに冬の星座のひとかけら

埼玉県　堀口　恵実　30歳

獅子舞も祝儀もらえば多く噛み

東京都　松井　祐樹　30歳

雲海が元気をくれた８合目

東京都　赤祖父　裕太　30歳

福寿草今日は地球の生まれた日

東京都　武井　あゆ子　30歳

カモメ飛ぶ波打ち際で揺れる星

神奈川県　柏木　友世　30歳

ばあちゃんがこうこを切って春の空

大阪府　喜多　恵理　30歳

初写真生まれた順に整列し

大阪府　荒井　遥　30歳

桜道大事な人と歩きたい

大阪府　藤田　ゆきこ　30歳

鱚釣りを眺める鳥の鋭き眼

島根県　下中　隆嗣　30歳

紅葉焚き天に煙の一文字

岡山県　植田　祐介　30歳

ハンミョウのまねして遊ぶ雀の子

岡山県　川上　健太　30歳

全身を撃ち抜く打揚花火かな

福岡県　田中　裕基　30歳

新緑の揺らぐ湖面に着く花弁

福岡県　二宮　千佳　30歳

コーンスープの缶を透かして銀河かな

鹿児島県　若松　拓郎　30歳

春の陽に君と重ねた薬指

鹿児島県　大石　章仁　30歳

名月や光源氏と恋談義

鹿児島県　福島　まるみ　30歳

秋風に電車の音が運ばれる

茨城県　佐藤　恵梨子　31歳

積みあげた本積みかえる年の暮

茨城県　大島　愛美　31歳

恋人と同じ香水つける朝

埼玉県　小俣　友里　31歳

薄紅の弾むスカート春近し

東京都　森　聡美　31歳

靴磨く私はあなたの応援団

東京都　山本　麻美　31歳

胡瓜蒔く地蔵に山の風が吹く

神奈川県　宇都　明久　31歳

歯ブラシの向きを揃えて春一番

神奈川県　細木　光太郎　31歳

いつまでが我が子をだける重さかな

石川県　田中　みさき　31歳

青天に舞う大鷲に憧れる

愛知県　西　嘉祥　31歳

風花やホームで一人君を待つ

大阪府　石川　公美子　31歳

手を繋ぐ三つの影と秋桜と

山口県　岡野　美紀　31歳

さよならを告げて眩しき薄氷

山口県　斉藤　千尋　31歳

屋台引く外国人の深いしわ

福岡県　田中　悠　31歳

激流の泡立ちを背に鮎光る

青森県　今西　祥子　32歳

面接の汗を拭いてアイスティー

宮城県　鈴木　ちえ　32歳

ふれないできずつきやすいのもももわたしも

福島県　石川　由佳子　32歳

春キャベツ尽くし農家の朝餉かな

栃木県　川上　さゆり　32歳

歯の抜けた娘の笑顔とランドセル

埼玉県　河合　優美　32歳

外国語だけが溶けない猛暑かな

埼玉県　宮前　真弓　32歳

土踏まず踏んだ気がした運動会

千葉県　東野　太一　32歳

昼の月青一点を貫いて

千葉県　蛭間　美貴子　32歳

白球やメガホン越しの蝉の声

東京都　影山　大翔　32歳

月光を踏みどこまでも行けそうな

東京都　坂中　愛実　32歳

いちご摘む野太き指の繊細に

東京都　赤間　有以　32歳

子を想う母のおにぎりでかくなる

東京都　赤澤　恵　32歳

ほとほとと小春日注ぐ抹茶椀

神奈川県　大町　裕美子　32歳

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