伊藤園 お~いお茶新俳句大賞
第二十九回
優秀賞
小学生の部 (幼児含む)
かがみみてぼくのくろ目にちずがある
つがるりんごどこにおいても夕日かな
お茶のにおいおばあちゃんのいえのにおい
夏が来る準備は出来た来ていいよ
夏休み空より先に起きちゃった
落あゆで銀河になった夏の川
ゾウのはな春をつかんで遊んでる
中学生の部
外に出てまわりを見たらつらららら
ふきのとう私が第一目撃者
反抗期ひとまず終わり桜咲く
頂上にみんな来るから山笑う
本を閉じ自分の居場所確かめる
改札を抜け商店街の凍星
青春を水鉄砲と捨ててきた
高校生の部
雪原を一蹴星を知らぬ馬
涼しさや並木三百本に風
ラブソング聞けば聞くほど冬景色
夏来るアンモナイトはひび割れて
花火見て元素を当てる理系たち
おひなさまゆっくりしまう母の顔
春の風誰が最初に気づくかな
一般の部A (40歳未満)
コスモスの真んなかほどの時間かな
あの頃の日々がまわれり扇風機
助手席に菜の花乗せた対向車
どんぐりを今年も見つける洗濯機
登り坂まっすぐ睨む蛙かな
何もかも小さいことだ冬銀河
話すたび相手が消える囲炉裏端
一般の部B (40歳以上)
とんがった自分にマフラーそっと巻く
雪かきとあと猫だいているばかり
鬼が失恋したやうな冬の山
鹿の眼に覗かれている孤独かな
初仕事なんだかきつい服を着て
老人に直角に冬がやって来る
炎天の生きものとなる新幹線