受賞作品

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

都道府県賞

広島県

目がかゆいひと足先に春が来る

兒玉 千彩乃 9歳

猛勉強外では花火の音がする

井上 明香里 13歳

後輩と初めて帰る春の宵

坂口 綾袈 13歳

右手にも左の手にも福袋

黒木 雅也 24歳

尾道は寒夕焼の突き当たり

赤松 佑紀 34歳

山口県

白い息二酸化炭素排出中

藏重 きれな 14歳

日ざし浴び煮卵子そっくり僕の顔

江守 開 17歳

メールだと少しかわいいお父さん

中野 真椰 21歳

どの音よりも氷が溶ける澄んだ音

吉武 美穂 26歳

ひとりふえふたり消えして春の雪

長谷部 奈美江 58歳

徳島県

エラーして一人で食べたかき氷

武知 陽琉 13歳

夕焼けに少年時代の僕を見た

岸 優太 16歳

大空を抱きしめんとす小さな手

山地 由有未 27歳

声までも真っ直ぐ見える入学式

本田 真澄 38歳

啓蟄やタオル百枚干す床屋

高木 英昭 63歳

香川県

ぱっちんと切符の穴からふるさとへ

中津 はるか 21歳

ダンボール開ければ小さな故郷かな

藤田 和子 22歳

おしゃべりな小さな湯タンポ抱いて寝る

林原 真由美 37歳

百発の花火が終われば告白す

川崎 徹 41歳

睡蓮や言い訳ひとつ置いて行く

佐藤 奈都子 58歳

愛媛県

冬の月雲にかくれてあったまる

森田 悠己 10歳

軽トラのきゅしゅきゅしゅたわむ春キャベツ

守谷 和之 33歳

晩酌の肴に小鉢と小言付く

川上 安典 42歳

運動会懐かしき空連れて来る

石川 晶子 46歳

教室の時間を止める春の雷

大久保 美香子 49歳

高知県

妹をおぶって歩いた桜道

宮地 莉奈 13歳

山々をつなぎて一つ霞かな

谷脇 唯月 14歳

もう一度教室で座すクロッカス

浜田 鉄平 20歳

ひだまりと居残る冬の教室に

久万 真央 27歳

退くことの出来ぬあれこれ花筏

中田 美砂子 64歳

福岡県

母の日にそっとたたいてみる背中

平井 茉弥 16歳

マスクとり笑ってくれる温かさ

江上 瑞穂 17歳

夕時雨トランペットを抱く少年

荒木 優希 22歳

白龍の如き冬靄村包む

田中 裕基 29歳

階段で春一番とすれ違う

内田 遼 29歳

佐賀県

種をまき私の思い土の中

森 琴未 14歳

進路予報強い雨のち晴れでしょう

溝添 冠乃 15歳

娘のめがね白詰草で編みました

吉村 金一 59歳

もういちど羽ばたけそうな雪景色

古賀 敏眞 68歳

下萌や地球こつんと突つついて

古庄 民子 74歳

長崎県

かえるの子なえの間をおよいでる

吉野 侑 9歳

重いよね雪の帽子を陽が脱がす

角田 愛優 14歳

鶯や遠く消えゆく路線バス

川下 璃杏 17歳

花筏落ちないでねとつないだ手

山口 紗喜 23歳

先頭で猫がバス待つ春の午後

牧野 弘志 61歳

熊本県

ゆっくりとすきとおっていく春の風

西口 愛未 10歳

太陽光となりで猫も充電中

上田 主 18歳

銀杏落葉街の景色を上塗りす

飯塚 智子 30歳

息白しかさなる声があたたかい

浦本 直美 37歳

伸びるだけ伸びて子猫の又眠る

荒木 賢一 67歳

大分県

寒いねと四文字つぶやき仲直り

森山 瑛佳 16歳

十ヶ月腹に宇宙を抱え居る

安部 美香 32歳

水溜まり蛙のように飛ぶ息子

高司 香織 35歳

前置詞に時間とらるる入試かな

伊藤 時江 66歳

母さんのエプロンに咲くチューリップ

木村 弘治 72歳

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