受賞作品

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

佳作特別賞

帰省子のカバンは都会の弱音詰め

大阪府 藤田 晴美 57歳

クロッカス付箋の多き料理本

愛媛県 宮井 園江 57歳

里芋を好む年齢なり母に似し

愛媛県 加納 早苗 57歳

芦別の滝より生ず雪をんな

北海道 工藤 光吉 58歳

地場産の花豆炊きて冬に入る

埼玉県 滝口 美恵 58歳

老い満ちて母口ずさむ聖夜かな

千葉県 山田 光太郎 58歳

居眠りの子の匂ひかぐ春隣

東京都 太田 薫 58歳

梅雨に入る象の背中は山河かな

長野県 齋藤 俊幸 58歳

デコポンの黄色に元気もらってる

滋賀県 翁 直美 58歳

大切な一言いえず星月夜

大阪府 藤本 冨士子 58歳

戸の灯り近づくほどに虫の声

大阪府 山添 司 58歳

卒業の先それぞれの地平線

大阪府 小林 康浩 58歳

眠る君アリスの様に夢を見て

奈良県 岩井 文子 58歳

歯磨きの最後押しだし窓に雪

埼玉県 福島 進 59歳

吹き抜ける風の香バレンタインの日

東京都 藤田 惠里 59歳

落葉踏む小学生の後に踏む

東京都 斎藤 三津雄 59歳

重ね着はか細い母の鎧かな

東京都 伊藤 淳子 59歳

猫の子に声かけてゐる男かな

神奈川県 岡 まゆみ 59歳

透明な水の流れる雪の底

新潟県 稲田 吉也 59歳

靴音の確かな銀座冬の星

大阪府 吉崎 裕子 59歳

還暦は壊れ物なり大夕焼

鳥取県 門脇 かずお 59歳

朧月地図だとこんなに近いのに

愛媛県 大塚 めろ 59歳

南風の地今朝は島ごと綿帽子

熊本県 糸田 初代 59歳

げんげ田に寝転んでいるかくれんぼ

鹿児島県 白坂 昭典 59歳

団栗の弾丸何を撃つべきか

北海道 阿部 満子 60歳

春めくやジルバステップ踏む仕草

埼玉県 佐藤 茂 60歳

手花火やこんな近くに夫の顔

千葉県 宇壽山 孝子 60歳

還暦の赤き自転車笑顔あり

山梨県 園原 俊子 60歳

情じゃなく愛という名の陽炎か

静岡県 池野 玲子 60歳

納豆の糸のよく引く五日かな

大阪府 大塚 俊雄 60歳

立春やはえてきさうな壷の耳

愛媛県 和田 佳子 60歳

かけ声の裏返りたる焼芋屋

北海道 伊藤 哲 61歳

秋高し時給十円上がりたり

宮城県 石川 初子 61歳

六十の若手が後継ぐ神楽舞い

秋田県 畠山 治夫 61歳

液晶に浮かべて愛でるむかし花

大阪府 坂本 信也 61歳

かたつむり明日から君の弟子になる

兵庫県 中野 早苗 61歳

あべこべに靴揃える児春一番

福岡県 矢野 由美 61歳

さよならを今なら言へる木の実落つ

福島県 伊藤 大子 62歳

北天に指突き刺せば星回る

茨城県 塩見 佳久 62歳

菖蒲湯でチャンバラごっこ兄妹

東京都 鮎川 京子 62歳

碧い瞳の嫁と歩けば梅真白

神奈川県 廣井 直美 62歳

留守すれば郵便受けに茄子のあり

岐阜県 横山 美保子 62歳

年金で十八切符山笑う

静岡県 金森 文孝 62歳

時々は寄り道したいブーメラン

愛知県 佐藤 千恵子 62歳

本棚のすきまに置いた香水瓶

兵庫県 塚原 秀敏 62歳

Tシャツに十年前の流行語

神奈川県 阿部 和己 63歳

マフラーを巻かれ学長像無言

大阪府 青木 朋子 63歳

九十九折り不意の乙女や山ツツジ

兵庫県 阿江 美穂 63歳

立春や暦の文字はさくら色

兵庫県 吉岡 好美 63歳

大根引く腕の太き農婦かな

愛媛県 中矢 えり子 63歳

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