受賞作品

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

佳作特別賞

寒椿落ちて初めて陽に当り

愛知県 野沢 美子 69歳

角ひとつ曲れば踊り遠くなる

愛知県 成木 幸彦 69歳

イケメンに拾われたくて桜貝

三重県 森田 敏昭 69歳

茶畑に赤きたすきの花が舞う

京都府 酒井 信子 69歳

八重椿想ひをひとつ捨てて来し

大阪府 仁科 早苗 69歳

毛糸帽あいさつも無く老いが来る

大阪府 鯉田 みどり 69歳

コスモスへ遠まわりして一万歩

兵庫県 宗平 八重子 69歳

がむしやらといふは美し汗光る

香川県 田岡 弘 69歳

木製の椅子の手触り落葉降る

愛媛県 竹下 章文 69歳

風光るしきりに動く鳩の首

北海道 大橋 稔 70歳

秋涼や初恋を知るペンダント

茨城県 小川 美弥子 70歳

春の海老いし人生くすぐりぬ

栃木県 綱川 秀夫 70歳

定年の兄弟四人木の実降る

埼玉県 清水 三郎 70歳

星冴ゆる生命体という揺らぎ

千葉県 薄井 智介 70歳

絵巻物広げるように春となり

千葉県 江澤 純子 70歳

春眠を重ねし母の白寿かな

東京都 金子 文衛 70歳

言霊に似し風花の行方かな

神奈川県 みうら じゅん子 70歳

来し方にまさかもあった春の雲

神奈川県 内藤 徳子 70歳

ふうふうと湯豆腐ほおばりとがる口

岐阜県 西本 与志子 70歳

トラクター小鳥の列も引率し

静岡県 山下 静子 70歳

夜話の火鉢囲みし父がいた

愛知県 川口 貴子 70歳

立ち読みの楽しみ知るや老いの秋

愛知県 大田 政廣 70歳

ナスカ絵や冬日風の子ケンケンパ

大阪府 太田 勝彦 70歳

古里を包みて祖母のおやきかな

兵庫県 瀬川 正子 70歳

老二人ほくりほくりと栗ごはん

広島県 安冨 正則 70歳

パリ祭に平服でとある招待状

福島県 折笠 弘子 71歳

陽を呑んで干し大根の仕上がりぬ

茨城県 萱原 祥暢 71歳

実梅もぐ農婦のどれも深帽子

埼玉県 津藤 愛子 71歳

恐竜の背もかくあらん冬妙義

埼玉県 南 暁 71歳

竜天に登る途中の教習所

埼玉県 小泉 研一 71歳

爺様の沽券もいれるお年玉

埼玉県 荒川 清司 71歳

恋猫の毛も座ってるクラス会

神奈川県 佐藤 龍夫 71歳

厳寒の富士の如くに生きる夢

山梨県 石原 臣男 71歳

竜胆や父の拓きし荒畑

愛知県 木下 茂克 71歳

初空に指で生きると書いてみる

大阪府 南 政義 71歳

雪が解け風がやさしい貌になり

宮崎県 稲毛 寛 71歳

着ぶくれの内なるものにふれもせず

茨城県 土田 信子 72歳

大根引く有らぬ力を出しきって

埼玉県 金子 功 72歳

亀鳴くや天使にしかと臍のあり

埼玉県 松居 一江 72歳

雪おんな接骨院の乱れ籠

千葉県 岩瀬 輝代 72歳

ドーナツの穴を抜けゆく春愁

千葉県 福田 志げり 72歳

子ねこには子ねこの決意木にのぼる

神奈川県 鈴木 奈穂子 72歳

一番茶空をゆらして摘みにけり

長野県 中島 則子 72歳

止みさうな雨のけむりて春兆す

静岡県 中川 千鶴子 72歳

鬼やらふ母が大きい声を出す

三重県 三井 無心 72歳

雲水のうたたね深し神の留守

大阪府 金田 八重子 72歳

延命の地蔵をなでる小春かな

茨城県 根本 きよ志 73歳

餠焼いて母の面影裏返す

群馬県 猪之良 アイ子 73歳

福耳のマスク外すに手間どりぬ

埼玉県 安藤 悦男 73歳

雨あがり己が重さで椿落つ

千葉県 國井 明彦 73歳

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