受賞作品

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

佳作特別賞

しもやけの疼きやチェロの無伴奏

東京都 本田 いづみ 53歳

猫柳寒い冬でも笑顔見せ

静岡県 鈴木 由紀子 53歳

わが家計春の女神よほほえんで

京都府 森 和代 53歳

採った蝶みんな逃がして空の青

大阪府 織田 高暢 53歳

生き物のように押さえて切る西瓜

佐賀県 吉村 金一 53歳

難問はしばらくおいて日向猫

鹿児島県 相星 隆輝 53歳

くわがたの姿借りてる花鋏

秋田県 藤井 紀子 54歳

夕暮れのそろそろ眠い鯉のぼり

埼玉県 尾崎 百合子 54歳

サルビアの蜜を吸ってた通学路

千葉県 川上 知子 54歳

極寒の一灯母の瞳のごとし

石川県 梅木 俊平 54歳

還らざる昭和の日々や飯饐える

愛知県 斉藤 浩美 54歳

山茶花の花に届くよ母の声

滋賀県 横山 幸子 54歳

二杯目のカレーたいらげ夏の山

広島県 坂本 多美枝 54歳

柚子の香の残りし指が脈をとる

長崎県 宮﨑 政道 54歳

顔中がヒマワリになる孫を見て

群馬県 塚田 美智子 55歳

ジャガ芋の種に声かけ土をかけ

埼玉県 山口 栄二 55歳

冬木立版画のように暮れてゆく

千葉県 高橋 志郎 55歳

はる日あびふわりゆらりと眼をさます

愛知県 西谷 寿 55歳

掌で包む胡桃の小宇宙

兵庫県 細山 修 55歳

紫の鮫の鱗を天竺に

岡山県 猪原 丸申 55歳

ピーピー豆こっそり吹いて夏が来た

福岡県 山内 民子 55歳

アメリカの喉元にある寒気団

北海道 阿部 満子 56歳

房総の山里けむる時雨かな

埼玉県 島田 光美 56歳

丹念に爪切る勤労感謝の日

埼玉県 清野 敦史 56歳

フライングしたもの探し春の山

新潟県 山賀 ユキエ 56歳

一日が終りましたと捨カイロ

山口県 保田 尚子 56歳

豪雪の記事に尋ねる故郷かな

北海道 宮川 広 57歳

図書館に恐竜の骨冬来たる

茨城県 根本 登 57歳

冬晴や地上はいのち濃きところ

茨城県 金子 つとむ 57歳

目借時蛙は眠くなかりけり

神奈川県 塚本 治彦 57歳

十二支に出遅れた亀日向ぼっこ

神奈川県 長嶋 季伸 57歳

とろとろと煮詰めて春のできあがり

神奈川県 加藤 ゆみ子 57歳

ざっくりと山ごと編む気蔓の籠

長野県 中島 惠子 57歳

ぬかるみに映る春空ひとまたぎ

長野県 新井 福人 57歳

花火仰ぐ茶髪の父の肩車

兵庫県 谷川 たまゑ 57歳

秋声を聞き入るやうに猫の居て

福岡県 服部 朝子 57歳

吐く息の白き真冬の句読点

神奈川県 長野 眞也 58歳

岩風呂にはらりはらりと雪の花

神奈川県 青木 秀子 58歳

黙り込む桃の産毛が自己主張

岐阜県 後藤 順 58歳

逆上がり出来るまで蹴る今日の月

大阪府 山路 春男 58歳

弓げいこ彼女の心的にして

大阪府 桑原 智恵子 58歳

はったい粉父も居た母も居た

広島県 出張 幸江 58歳

ささ舟が月を切りさく露天風呂

広島県 亀井 千代蔵 58歳

殺風景な言葉詰め込む十二月

福岡県 木村 厚子 58歳

朱欒ザボンいっさい妥協のない重さ

福岡県 大林 圭子 58歳

流氷のかけらひとつがかくし味

北海道 岩田 定之 59歳

留守電のランプもの言う秋の暮

福島県 新井田 美佐子 59歳

新緑に音叉のごとく風が鳴り

栃木県 小林 博子 59歳

とっぷりと親子でいたい白山茶花

群馬県 矢島 操 59歳

雪こんこ今日生まれれば雪女

群馬県 滝沢 照香 59歳

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