伊藤園 お～いお茶新俳句大賞
第二十三回
佳作特別賞
銀世界長く旅して雪兎
夕焼け雲一人で帰るたんぼ道
寒くない？葉っぱの服がとれちゃった
秋の夜空に兎がうかんでる
南阿蘇粉雪舞って夢の村
扉開け大人の階段踏み締める
初夢で小犬をもらえばパラダイス
赤とんぼぼくらをどこへつれて行く
夕日見て故郷を想いたそがれる
冷蔵庫開けると犬が正座する
雪景色手で額作れば私の絵
大鷲の何を見据えるその瞳
ブランコは空に近づく観覧車
夏の空白いラインがきざまれる
富士さんがよろしくと言う初景色
枯れ野原紫式部一人立ち
父と母パジャマまでもが腕を組む
寒晴れが僕らの心を透かしてる
冬の森イチョウとカエデのオムライス
グランドに僕より先に霜柱
お年玉地球儀買って世界旅行
霧吹きで作ってみた僕の虹
雪の粒手でつかめないもどかしさ
せんべいのやけるにおいと冬の空
いつ見ても遠くを見てる案山子かな
りんご着く今年も帰ろう故郷へ
雪だるまぼうしを残し去っていく
追いかけるボールの先は表彰台
広い海泳ぐ鯨になれたらな
そびえたつ入道雲と夢の城
寒天や球児見下ろすスカイツリー
桜の木春の支度で休んでる
屋根裏ですずめの家族が歌ってる
夕焼けは私を大きくしてくれる
遊園地みんなマスクで遊んでる
海みたい風にたなびくすすきの穂
梟が見ている光未来かな
おみくじでわがまま言うなとでた新年
団らんの声弾ませてたらばがに
夕暮れに西湖と空がつながった
蜃気楼自分の姿がわからない
少しだけ未来を透かせ蜃気楼
ふきげんな河豚に負けじとにらめっこ
扇風機暑い夏ごとぶっ飛ばせ
自動車は車道を走るながれ星
塩臭い麦藁帽を被る兄
寒いよね打つ相槌のあたたかさ
しんしんと冬の名刺が降り積もる
絵馬揺れる人の願いを聞き入れて
寒さより夜空の図形見とれてる
