伊藤園 お～いお茶新俳句大賞
第二十二回
佳作特別賞
はく息が白い兎になっていく
濃いきりに必死に顔出すお山達
春の風なんならぼくをつれてって
白い雲自由に動いて僕みたい
秋が来る先生はでな服をきる
青い空にゅうどうぐもは親分だ
足先にしもやけ姉妹ならんでる
自分と友達ニッコリ笑ったサクランボ
せみの声テレビの音量上がってる
紅葉と川の流れがまざりあう
もみじの葉じゃんけんしたいと待っている
拡大図何が大きく見えますか
大雪に九州のやね重たそう
土の下小さな春がスタンバイ
こたつからごみ箱までが三千里
隙間風あいさつせずに入ってくる
はく息の白さの奥に笑う顔
雪だるま今日はいつまでいられるの
通学路コスモス後を付いて来る
雪雲が山々ふんづけやってきた
木々たちに冬の音色が響いてる
真っ白な吐息と影がかがやいて
なわとびの縄と北風痛い冬
風のにおいはこばれて緑の国
誰よりもがまんしている霜柱
打水で冷えた木陰を登下校
長針は短針をいつも見失う
桃色の雪と一緒に旅に出る
風景がみんなまっ赤に染まってく
背がのびて見えない世界も見えてくる
ぼくの影誰かにふまれて動けない
初日の出はしゃぐ子供がだまりきる
かなうかな空豆みたいにゆうゆうと
寒稽古竹刀の先までひきしまり
母の背を越しても心は見上げてる
ぎんなんをよけてはねてるランドセル
ろうかはねひんやりとした冬心
雪の夜黒ねこたちがよく見える
春風と共に来た犬新家族
流れ星速くて願い途中です
咳一つ説教の空気悪くする
野うさぎの衣が変わる季節です
直滑降ひととびすれば浅間山
祖母と孫背中を曲げて毛糸編む
雪だるまできあがったらあたたかい
鳴り響く携帯電話と除夜の鐘
帰省ラッシュテールランプは蛇のよう
どんぐりとぼうしがおそろいはずかしい
南風受けてぴんと帆を張る我が心
イチョウの木冬にしかられ丸坊主
