受賞作品

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

佳作特別賞

老いること忘れてしまふ雛の顔

岐阜県 近藤 千鶴 66歳

天にまで届く棚田や鰯雲

兵庫県 高橋 雅之 66歳

旅手帳空白のまま春惜しむ

福岡県 真子 智枝 66歳

捨て切れぬ文も紛らせどんど焼

北海道 西村 山憧 67歳

しあわせは猫にかこまれ寝正月

北海道 酒井 亜輝子 67歳

陽だまりにノラ猫たちがミーティング

宮城県 菅原 節子 67歳

休耕田夏野となりて風遊ぶ

山形県 佐藤 和雄 67歳

バス停の終点その先は夏

福島県 益永 孝元 67歳

寒夕焼明日まーるく生きたくて

群馬県 青木 紀子 67歳

挨拶はひょいとつまんだ麦帽子

埼玉県 北出 光世 67歳

百点をぎゅっとにぎって春一番

千葉県 川崎 登美子 67歳

ピアスから面の割れたる追儺鬼

長野県 横山 憲司 67歳

神仏の菜飯を下げて夕餉とす

岐阜県 喜多 隆文 67歳

小春日や孫に取られし妻の膝

岐阜県 中村 信正 67歳

ジーパンの穴笑いおり牛膝

愛知県 齊藤 清子 67歳

朝霧やただゆつたりと下駄の音

愛知県 石原 文雄 67歳

青田風遊学の子の戻りけり

兵庫県 安藤 浄子 67歳

カナカナのこえ重なりて山深し

熊本県 溝部 登美男 67歳

手前まで来し夕立に逃げられし

大分県 首藤 勝二 67歳

詰め将棋手駒に春の陽の温み

大分県 帯刀 征夫 67歳

黙っている曲線ばかり寒卵

北海道 笹原 瑞子 68歳

冬近しやじろべえにも五十肩

北海道 大橋 すみ子 68歳

ななかまど頭重かろ雪帽子

北海道 植田 尚宏 68歳

みちのくや草の匂ひの祭り馬

青森県 西山 イチ 68歳

感嘆が桜吹雪に溶けて散り

宮城県 伊藤 輝雄 68歳

長き足そろふ日永の足湯かな

群馬県 高橋 成知 68歳

雪吊りのてっぺんが好き海の鳥

千葉県 小川 孝 68歳

風鈴は風の遍路の接待所

長野県 三重野 楷 68歳

待春の歯の一本が生え初むる

三重県 宮田 登世恵 68歳

梅雨明けの今日きっぱりと髪を切る

京都府 土肥 たか子 68歳

老いてなほ渡りたきもの天の川

香川県 田岡 弘 68歳

狛犬の吐くかも知れず白い息

愛媛県 三谷 淳子 68歳

鶺鴒のスキップ踏んで川渡る

福岡県 池田 勝宣 68歳

夕暮の鶏頭未だ燃えつきず

大分県 椎原 清隆 68歳

冬帽子とって手を振る園児たち

福島県 伊藤 孝 69歳

湖へ向く位置に落ち着く夏机

埼玉県 清水 三郎 69歳

湯豆腐のそれだけのこと夫の居る

埼玉県 清水 久世 69歳

頑固さが長所で短所冬帽子

千葉県 秋本 紀子 69歳

手漉き和紙湿してすこし春隣

千葉県 森崎 一三 69歳

泣き声か笑い声かや霜柱

千葉県 川口 雅生 69歳

箒目に又落葉して比丘尼寺

東京都 斎藤 わか子 69歳

おのが名の金釘流に入学児

東京都 土橋 千鶴子 69歳

象よりもゆっくり歩む春の雲

東京都 蓮見 徳郎 69歳

赤とんぼ十五に戻る同級会

新潟県 前川 ミネ 69歳

初蝶に触れたる指の熱さかな

静岡県 野口 清美 69歳

わが歳も丸めて捨てるカレンダー

大阪府 中川 良子 69歳

野牡丹の重たき程の蕾かな

兵庫県 瀬川 正子 69歳

初空の真下の人のうねりかな

大分県 広瀨 天由 69歳

割り箸をまだ割れぬ子や雪こんこ

北海道 石田 和子 70歳

カナダより礼状届く冬銀河

福島県 折笠 弘子 70歳

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