受賞作品

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

佳作特別賞

洗濯をやたら急かせて春に入る

埼玉県 伊藤 みや子 52歳

駆ける風野に咲く花が乱舞する

千葉県 三石 康雄 52歳

月見草子供の君を覚えてる

千葉県 三山 義輝 52歳

雑踏や今日二の酉と誰か言ふ

東京都 此花 悠 52歳

皹の物言いたげに裂けており

東京都 土生 洋子 52歳

三坪の畑に宇宙を覗き見る

愛知県 渡辺 英雄 52歳

猫の背の曲がり具合で暖を入れる

三重県 福永 純代 52歳

虎落笛ひとり身を置く男下駄

佐賀県 吉村 金一 52歳

はっけよいみんな笑顔に赤力士

長崎県 藤原 隆 52歳

秋風にルネッサンスの香りする

鹿児島県 田代 裕一郎 52歳

この雪もやがては旅の一里塚

北海道 工藤 光吉 53歳

寝転びて芝生の甘き草いきれ

埼玉県 清水 智 53歳

指先に風をあつめて凧放つ

東京都 中西 雅笙 53歳

収穫の手を遅らせる山紅葉

長野県 日台 正博 53歳

秋暑し隅まで赤き日本地図

三重県 大久保 伊都子 53歳

大根煮の形ともあれ褒められし

山口県 松永 眞弓 53歳

日脚やや延びしと思ふ兎の目

愛媛県 菅 貴久代 53歳

ないしょ話しているか二月の雨よ

愛媛県 小倉 末博 53歳

穴を出て蟻のままなる私かな

北海道 安田 茂 54歳

少女らは踊りアネモネ揺れている

神奈川県 根岸 研一 54歳

蛇衣を脱ぎていささかの後悔

愛媛県 大塚 めろ 54歳

跳び箱を跳んで枯野に着地する

長崎県 牧野 弘志 54歳

ゆうるりとお召しください春の風

北海道 増田 千香子 55歳

賀状より飛び出しそうな笑顔かな

埼玉県 関口 美千代 55歳

彩雲の窓や来世といふリズム

静岡県 田名瀬 新太郎 55歳

偏屈な兄出目金と仲が良い

大阪府 中井 元彦 55歳

鬼は外訳あり鬼もいるだろう

兵庫県 吉川 泰司 55歳

走ったら寒くないよと雲が言う

兵庫県 岸野 孝彦 55歳

秋深しきっと阿修羅は左きき

大分県 川野 智子 55歳

自転車の轍の跡に春一番

宮城県 山家 節 56歳

湯豆腐の小言静かに聞きにけり

東京都 小倉 千恵美 56歳

還暦に何を編みましょ赤い糸

三重県 伊藤 文代 56歳

のり巻の端が大好き運動会

大阪府 太田 省三 56歳

ミニ穿いた裾をすくいて春一番

香川県 髙畠 百合子 56歳

リコーダーの重なり遠く初音聞く

愛媛県 池田 多津子 56歳

初雪の冷気まといて歩み出る

北海道 中村 恵子 57歳

トランクに母の味詰め帰路につく

群馬県 小野 光一 57歳

人もまた壊れゆくもの小鳥来る

神奈川県 天野 信敏 57歳

三つ編みが本を読んでる無人駅

山梨県 入倉 文子 57歳

化学者の顔して妻は梅漬ける

兵庫県 佐藤 直路 57歳

誰も居ぬ小さな駅に紋白蝶

和歌山県 谷 明美 57歳

睡蓮も風にめくれて宙を舞う

岡山県 栁井 鉄生 57歳

水鳥のかくれんぼうを追いかける

徳島県 北内 康文 57歳

初雪やもっとわたしのそばにいて

香川県 野﨑 憲子 57歳

作付けを語り合ひつつ畦焼けり

高知県 中田 美砂子 57歳

日めくりの昨日をめくる春の昼

群馬県 種 久子 58歳

蝋梅の香ごと束ねて売られたり

埼玉県 渡邉 照夫 58歳

日曜の午後のかたむく五月かな

東京都 大西 敏雄 58歳

君送るホームに香る沈丁花

福井県 橋本 美重子 58歳

サングラス外して君の齢になる

京都府 吉田 美鈴 58歳

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