伊藤園 お~いお茶新俳句大賞
第十七回
優秀賞
小学生の部 (幼児含む)
おし入れが開かない雪の重さかな
パンの耳残して白鳥思い出す
げんかんで雪のにおいがわかる朝
雨の日の遊具はなんだかさびしそう
かれ草をふんで見つけた冬の音
金魚から夏の話を聞いている
球根をしっかりうめて春を待つ
中学生の部
初夢に母が出てきて二度寝する
山越えてのきのつららの祖母の家
赤とんぼ炎のような日暮れかな
居残りを終えて石蹴る夏の暮れ
ひまわりの自信たっぷり午後一時
いつからか僕を見上げて叱る母
祖母の手はくしゃっとにぎった紙のよう
高校生の部
ブランコの冬に愛され揺れている
朝もやの中からでてくるでかいバス
僕が居て僕しか居ない僕の影
まないたの音ではじまる日本の朝
豆をまく母から本気で逃げる父
サンダルの砂を流して終わる夏
マフラー編む想いが形になってゆく
一般の部A (40歳未満)
マネキンのツンと尖った夏の胸
冬蜜柑すじとりながらみなゆるす
逃げ水や光の向こうに君がいる
深雪の静けさまとう新茶かな
ただそこにある夕暮れの赤ポスト
桜だって騒いでみたい散る前に
昭和史を氷柱一句でしめくくる
一般の部B (40歳以上)
こんもりと父の日記に森がある
雑煮食う家族も増えて赤道下
木は蝉に蝉は木となり一ト日暮れ
ざぶざぶと心を洗ふ盛夏かな
冬晴れに杭の打たれる孤独かな
十三夜鯨の寝息よりの波
ブラジルは大豆大国種を蒔く