受賞作品

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

都道府県賞

広島県

かたつむりのはらむらまで旅行中

施向 智裕 10歳

祖母はあみ僕はレンジでもち食べる

宮坂 光一 12歳

Tシャツでそのまま飛び込む島の海

宮地 円 12歳

土曜ごと母の得意な鍋が来る

鎌田 葉子 16歳

夏の日はパンのように私を焦がす

糸野 幸子 20歳

山口県

逢う前の電車にゆられる時間が好き

藤中 香織 17歳

数式で私の心を解いてみて

藤松 ほたる 18歳

自転車の将棋倒しに花吹雪

福田 陽子 32歳

さよならの角を曲がれば桜咲く

高木 佐知子 40歳

ぶらんこを春のリズムで漕いでみる

久光 良一 71歳

徳島県

オリオンと牛が向きあう冬の空

安藝 秀一 9歳

吊し柿中はマグマだ燃えたぎる

藤川 綾香 11歳

菜の花を雨が優しくなでている

柴谷 昌代 29歳

月の夜を渡す最終便の舟

元木 光子 77歳

香川県

のら犬に寒いかと問い返事待つ

髙橋 卓也 16歳

天の川渡れないほど遠い君

白川 大介 22歳

手のひらをはみ出している蓮かな

玉藻 ジョー 32歳

何気なくにぎるおむすび母のと似てる

森田 真由美 37歳

雛人形今でも早くしまう母

加藤 美香 37歳

愛媛県

かに鍋に兄ちゃんたちの腰も浮き

伊藤 美恵子 10歳

鼻すする音重なって冬に入る

福羅 太成 16歳

ビルが立ち僕の記憶が消えていく

山本 奈々 17歳

絵日記に色を付け足すカキ氷

馬越 美江 19歳

猫を抱く二月のチョコレートは苦くて

湯山 とみ子 59歳

高知県

冬という響きはどこか純粋で

前島 佑果子 15歳

寒いねと言って答える人が欲しい

林 陽平 16歳

白靴に放浪癖がつきまとう

橋本 みどり 57歳

春おぼろコインランドリーは宇宙船

橋本 純子 63歳

落日の音ぎしぎしと冬の海

大西 明 74歳

福岡県

中三の一番高い壁のぼる

村上 彩 15歳

背泳ぎで見つめる空は青い海

西川 康裕 16歳

太陽と目が合うような雨上がり

橋本 千恵 16歳

休日の雨の良さ知る三十路かな

松尾 直人 33歳

価値観が一周違って一致する

渡邊 光 48歳

佐賀県

運動会負けずぎらいのあせ光る

前島 新 10歳

縄張りの猫が変った冬の朝

井川 未央 18歳

深呼吸胸の奥まで春の味

佐々木 美智子 31歳

向日葵は淋しがりやという噂

野村 竜矢 46歳

夕映えがたった一つの町自慢

大石 郁子 64歳

長崎県

また君に金魚すくいで逃げられた

赤波江 暁 14歳

ハイビスカス赤い帽子が泳ぐ海

今泉 ゆうき 16歳

字あまりに大人を感じる十七歳

橋本 恒大 17歳

鬼火焚き赤い火ばしらモチの湯気

森 幹也 37歳

首太の貌出す大根一揆島

原田 幸子 76歳

熊本県

ランドセルきれいにふいて卒業す

泉 龍之介 12歳

雨音は少し激しい子守歌

高木 光 16歳

名作の落書き残す卒業生

坂本 節子 48歳

大釜に顔あぶられて新茶炒る

園田 夕子 55歳

顎少しゆるむ写楽の四温かな

穴井 スミエ 79歳

大分県

猫が乗る単身赴任の父のいす

佐藤 瑞希 13歳

節分の増えゆく豆と顔のしわ

田中 寛人 29歳

給料前我が家はにわかベジタリアン

黒田 奈穂美 40歳

手袋に善行非行の十指かな

河野 輝暉 70歳

麦踏んで地球の鼓動きいてみる

宮本 良子 83歳

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