受賞作品

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

佳作特別賞

干蛸を踊らせ瀬戸の小春波

広島県 川端 幸子 83歳

ニトロが舌に溶けてゆく刻小鳥来る

高知県 牧ヶ野 千代 83歳

樹木医の支えし一樹天髙し

埼玉県 佳 ミキエ 84歳

素通りは出来ぬ九段の初桜

東京都 高橋 喜三郎 84歳

五段びな孫らは九九をそらんじる

山梨県 曽根 一二三 84歳

師のこゑを心耳にとらえ梅月夜

岐阜県 川嶋 千秋 84歳

谺してそこから雪嶺崩れそう

大阪府 石田 勇 84歳

炎天の両国橋を渡りけり

山口県 武安 孝子 84歳

B29の耳鳴り止まぬ敗戦忌

埼玉県 渡辺 謙三 85歳

夫の背のいよいよ丸く冬に入る

東京都 阪本 澄江 85歳

巻寿司の端っこが好き紅葉狩

三重県 直村 千恵 85歳

初日より夕日好みのへそまがり

茨城県 相澤 豊子 86歳

レジ袋大空駆ける春一番

東京都 武田 亨 86歳

落葉道行けば地球が呟けり

愛知県 金原 德次 86歳

風上も風下もなき春の空

滋賀県 高谷 末男 86歳

夏雲の湧き立つ丘や戦友の墓

兵庫県 百々 和 86歳

遠雷や男ことばの少女過ぐ

東京都 斉藤 稔 87歳

初恋も手ぶらの内は未然形

東京都 青木 正七 87歳

他人事に非ず大根腰曲る

神奈川県 下條 恒彦 87歳

初鶏の牛十頭を先導す

神奈川県 藤田 和夫 87歳

啓蟄や家族みんなの布団干す

山梨県 小沢 さと 87歳

猿酒を天狗が飲んでしまいけり

高知県 中村 時雄 87歳

とんぼ来て往生際の話など

埼玉県 川嵜 い志 89歳

梅もぎは嫁に譲りし米寿かな

山梨県 斉藤 とし子 89歳

胡麻干して貧しき目鼻笑いけり

愛媛県 善家 真一 89歳

疾く走る女子ランナーに風光る

兵庫県 西川 隼二 90歳

芋掘りや車椅子隊凱旋す

千葉県 木谷 江月 91歳

柿二つ墨絵に画き独り哉

神奈川県 古賀 文 92歳

若者は氷の上の水すまし

神奈川県 大山 正明 92歳

憩いたる石に一礼遍路行く

大阪府 中西 文子 92歳

月冴えて寒さ身にしむ今日の霜

広島県 小笠原 聡 92歳

版画めく裸木刺してる寒い月

愛知県 原田 士朗 93歳

猫じやらし風のたよりのうそほんと

千葉県 髙島 仟子 95歳

どこまでも歩いてみたし星の秋

東京都 深谷 満子 98歳

杖などはいらずに暮し行く秋ぞ

東京都 永澤 文子 101歳

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