受賞作品

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

佳作特別賞

コスモスの押し寄せてゐる休耕田

愛知県 院南 伸次 73歳

臘梅を仰げば透ける空の青

愛知県 牧野 敏子 73歳

今もなお考え中というロダン

兵庫県 中川 寿子 73歳

どの石も頑固を通す野面積

岡山県 加藤 三雄 73歳

子規庵の糸瓜が夢にぶらりかな

福岡県 和田 彰夫 73歳

すれ違う手話は短し蟻の道

大分県 飯倉 忠和 73歳

水温む雛に留守を賴みけり

宮崎県 安保 亮宏 73歳

広告の走る電車や鳥曇

北海道 鈴木 雅美 74歳

大寒や靴の音まで尖りけり

岩手県 福島 清 74歳

凍蝶が地球を一周して帰る

千葉県 横山 ふゆと 74歳

ブーメラン太陽周って帰還する

東京都 城取 志郎 74歳

ブラインドの角度春めく読書室

東京都 平木 康夫 74歳

金釘の文字あたたかき賀状かな

神奈川県 佐藤 達三 74歳

尺取虫の追はれてゐたる昼下り

石川県 中村 靖子 74歳

雨蛙青くなるまで空にらむ

大阪府 伊藤 千家 74歳

屠蘇の香や古教照心手を合わせ

兵庫県 萩原 陽子 74歳

一行を添えた賀状の温かみ

兵庫県 宮内 津由子 74歳

ならのおくやまけふこえて豆ご飯

兵庫県 笠松 定一 74歳

雪暮れて灯が美しき合掌村

福岡県 中村 重義 74歳

縄電車保父が先頭草もみじ

福岡県 岩男 ミヨ子 74歳

茶柱の立つやほのぼの寒の虹

沖縄県 大城 宗清 74歳

大雪に人相わるくなるばかり

山形県 遠藤 陽子 75歳

打った球入道雲がキャッチする

茨城県 内田 春男 75歳

母の日や母に及ばぬことばかり

東京都 坪入 君江 75歳

花びらの大名行列川を行く

東京都 飯田 洋子 75歳

啓蟄や第一楽章地に湧きぬ

東京都 鈴木 芳江 75歳

肩書の取れて器用に落葉掻く

長野県 遠藤 喜久男 75歳

七福神街へ乗り出す宝船

長野県 青木 三郎 75歳

ファックスが留守を守りし年の暮

長野県 水内 喜久江 75歳

耳打ちのような風音春障子

静岡県 翁長 孝雄 75歳

渦潮に軽き目眩や老の旅

静岡県 鈴木 行雄 75歳

編棒のことりと落ちる夜長かな

愛知県 平松 桂 75歳

眞青な空の絵手紙曼珠沙華

愛知県 酒井 清 75歳

磐梯山まだ目がさめぬか霧の中

愛知県 堀井 清 75歳

山々の裾をからげて春霞

三重県 竹内 淑江 75歳

逆光の窓いっぱいにシクラメン

京都府 泉 藍子 75歳

立春の卵とにかく立ててみる

大阪府 西田 唯士 75歳

日時計に何もしない顎をのせ

福岡県 磯村 昌二 75歳

遠足の色混ぜ合わせ傘の家

宮崎県 竹内 千恵子 75歳

野遊びの唄声のせて縄電車

北海道 小山 耕昭 76歳

難聴に下からの手話雪下ろし

山形県 佐藤 佐一 76歳

日向ぼこ金平糖のお福分け

千葉県 鈴木 滋子 76歳

猫の耳動かぬ真昼蝌蚪生る

千葉県 小松 澄子 76歳

太陽の匂いをしょって猫帰える

千葉県 菊原 聖之助 76歳

ひょうひょうと妻は裏方夏祭

東京都 安野 文男 76歳

耳鳴りのトーンたがへて虫の宴

東京都 藤崎 嶺雲 76歳

地球儀をくるりと廻し旅心

東京都 杉浦 和 76歳

初みくじ晴着の袖に夢かくす

神奈川県 伊藤 悦 76歳

はふはふと焼芋食べる日曜日

神奈川県 宇佐美 正治 76歳

臍出しのモードの闊歩風光る

愛知県 野村 宗平 76歳

  • X