受賞作品

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

佳作特別賞

降る雪に声はりあげてかくれんぼ

茨城県 鈴木 きよ子 59歳

言い訳の真ん中へんに臍がある

群馬県 芝根 南 59歳

煙突の煙のみこむ鰯雲

東京都 小林 幸雄 59歳

点滴を連れて夜長の散歩です

神奈川県 石川  照夫 59歳

風通るゆるりゆるりと千枚田

高知県 大久保 邦彦 59歳

夕焼けを吸ってみたいなストローで

福岡県 加藤 秀則 59歳

鳥引いて沼の大きく横たわる

青森県 稲場 暁子 60歳

薄氷のほぐるる光ありにけり

福島県 吉田 広 60歳

平穏のことさら嬉し月見草

茨城県 渡辺 芳枝 60歳

ががんぼの忘れていった長い脚

茨城県 苅屋田 岺子 60歳

宇宙船くる駅がある麦畑

群馬県 桜井 映夫 60歳

幼な児の無色透明春の海

千葉県 杉山 紳子 60歳

雪が降るしばらく子供でいてみよう

東京都 水落 清子 60歳

盆踊り指の先まで愉快なり

神奈川県 北村 純一 60歳

島暮らし電車に乗りたい四月かな

新潟県 山本 光枝 60歳

父の日や舟屋に干さる命綱

富山県 中尾 雅和 60歳

どこまでも青き空あり名残雪

静岡県 伊達 伸子 60歳

きのこ狩り笑顔も一緒に籠に入れ

京都府 森本 秀子 60歳

今胸の真ん中にある寒牡丹

大阪府 小砂見 曙美 60歳

せがむ子もいない一人の線香花火

広島県 加村 富士子 60歳

雪衣五百羅漢は静かなり

福岡県 告 房子 60歳

くうくうと子犬夢みる冬の月

埼玉県 高田 昭子 61歳

留守電にやさしく語る春の宵

千葉県 福田 柾子 61歳

氷瀑にレンズを向けて時止める

東京都 武田 克子 61歳

豪快に秋刀魚焦がして男なり

神奈川県 市川 めぐみ 61歳

風吹けば発火するかも櫨紅葉

愛知県 田原 智恵子 61歳

春風や通学船は島に向く

愛知県 津村 由恵 61歳

玄関に赤い長靴春の雪

滋賀県 野村 八重 61歳

満開の携帯避けて桜見る

大阪府 藤浪 好昌 61歳

かけのぼる太棹の音や冬銀河

大阪府 高木 昭子 61歳

先生の居そうな島の紅葉散る

兵庫県 高橋 雅之 61歳

夕焼けが熟柿とりこみ秋落ちる

兵庫県 谷森 深 61歳

おしゃべりがどっと溢れて花の山

山口県 三野 公子 61歳

鞦韆を揺らせ昔をたぐり寄す

愛媛県 八木 紘子 61歳

走り根の走り出しそう十二月

福岡県 朝原 弘毅 61歳

蝉時雨集落こぞり午睡中

北海道 佐藤 正文 62歳

麦藁帽転がして夏さようなら

北海道 五十嵐 勝 62歳

麦秋の地平からポコッと郵便車

北海道 粥川 勝彦 62歳

霜月は律儀に寒さ連れて来る

群馬県 大沢 覚 62歳

初蝶となるせんせいの丸めがね

東京都 関根 洋子 62歳

立春やこの嬉しさは何処から

東京都 金子 茂 62歳

梟を不苦労として集めけり

東京都 横溝 敏江 62歳

茶柱に今日の幸福見つけたり

神奈川県 中島 美智子 62歳

春風と気の合いそうな服を買う

神奈川県 河西 みさを 62歳

指太の手にやわらかき初なすび

岐阜県 田辺 恵美子 62歳

梅雨に入る三度の飯を戴きて

岐阜県 勝 康治 62歳

お遍路がスタートだった我が余生

愛知県 加藤 順一 62歳

香水に追ひ抜かれたり御堂筋

大阪府 橘 永子 62歳

春寒し定員五名の縄電車

兵庫県 橋本 絹子 62歳

島めぐる海に夕日の漂よへり

熊本県 溝部 登美男 62歳

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