伊藤園 お～いお茶新俳句大賞
第十七回
佳作特別賞
木の上で兄かきかじるさるみたい
凸凹な山脈になる雪だるま
ゆきかきをしている母がたくましい
負け試合帰り途中で雪がふる
一年生が泣き出すようなげきをした
にんじんがまっすぐそだちうつくしい
蝉のから木枯しの中しがみつく
せつぶんに勉強しろとおにばかり
おこられてにげてる場所はおじいちゃん
徒競走ビリでもおいしいお弁当
かたつむりのろのろ進み雨がやむ
雲たちが形を変えて遊んでる
入道雲ぼくにむかっておこってる
風の中がんばっているせんたく物
箕面市のもみじせんべい音がいい
雪とけやきれいな水が川になる
ふるさとに帰る兄さん止めた雪
半紙からとび出しそうよ「元気な子」
けむり浴び無病息災願ったよ
たん生日二分の一の成人式
小さな芽風がふいても知らん顔
ぬれきったわたりろう下の雨上がり
節分は兄の受験日福は内
落ちてくる雪のたいぐん急降下
山古しの春を願えど雪ふかく
雪がっせん車の上の雪を取る
妹とふる雪口で追いかけて
手作りのしめなわげんかんうれしそう
駅でんで走れ走れと母がとぶ
クワガタが家族の食卓仲間入り
転んだあとへいきと言ってあとで泣く
繭づくり蚕ふんばる首ふって
しも柱サクサク音が寒さ増す
花祭りあんなところに先生が
ストーブの中で火の鳥あばれてる
鳥の声いつもかかしは聞いてるよ
いせえびを見ているだけではらいっぱい
花がさく冬から春への回覧板
コツ覚えカマキリみたいに稲をかる
風よんで花をはなれるあげはちょう
ラムネ玉すずしい風を作り出す
そうじして一番すっきりマンガの棚
初氷つま先で割る通学路
もちやいて母のおなかとくらべてる
黄金のもみじが光る筑波山
クラスがえ空気読めずにはしゃいでる
黒板に書きうつされた暗号たち
白い雪色えんぴつで絵を書きたい
大晦日おそばに入れる具になやむ
浅間山おへそのとこからけむりでる
