受賞作品

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

都道府県賞

広島県

おもちゃだね雪の山から見る町は

柿沢 佑果 8歳

墓参り犬と一緒に手を合わす

近藤 弓恵 12歳

太陽と同じにおいの夏蜜柑

木村 香央里 15歳

図書館の空席増えて春爛漫

佐藤 優子 38歳

手であける電車遠くに山笑う

有木 裕子 42歳

山口県

風鈴が存在理由かき鳴らす

中村 隼人 17歳

二代目の猫も丸顔柿の秋

河合 知子 64歳

鵯の枝搖れやまず鳴きやまず

山根 瀧子 69歳

紅梅の言い分風が聞いている

中本 千歳 78歳

竹馬の足で地球の肩たたく

川端 健一 79歳

徳島県

サンタさん気をつかってねだん消し

平田 麗奈 9歳

母通るおせちのにおいおいていく

服部 桂子 11歳

向日葵とおんなじ向きで走り出す

田丸 まひる 21歳

二度三度母に振り向く冬帽子

吉田 裕子 64歳

ひぐらしや潮の匂ひの子が戻る

垣下 誠一 70歳

香川県

ひと恋いのかなしみに似て野火猛る

長尾 俊彦 42歳

助六は凧となりても見栄を切る

藤川 澄子 60歳

白鷺の川辺に佇む遍路かな

合田 次男 62歳

梅小径凛たる人に会いにけり

三上 十志 70歳

北斗星生涯変らぬ臍の位置

大西 静城 83歳

愛媛県

銀輪の燕になりて君ん家へ

宇都宮 一紗 15歳

釣船のかたまる岬春隣

小田原 卓也 18歳

魚屋のバイト帰りのうろこ雲

松尾 卓弥 21歳

おちゃらかほいみかんの匂う手を合わせ

上甲 由紀子 37歳

木枯しを横切って来るEメール

丸内 松美 59歳

高知県

おばあちゃんの右にならって花いける

南 結花 14歳

崖に咲き海を見下す寒椿

武田 多恵 17歳

いつまでも龍馬が見渡す太平洋

溝渕 遼太 17歳

灯を消せば虫の音だけの夜となり

榎本 夏枝 56歳

Gパンの裾折り上げて蝶になる

岸田 房子 68歳

福岡県

光あびねぎの背中はピンと立つ

近見 りり子 14歳

夕焼けと同じ匂いの赤とんぼ

野口 由貴 15歳

思ひ出を削除しますかはい・いいえ

七里 誓路 17歳

蛤のカスタネットが鍋叩く

田嶋 祐子 36歳

雑踏の一円玉はじっと堪え

寺山 繁治 73歳

佐賀県

図書館で淡い恋でも借りようか

徳丸 英器 22歳

砂利道の不揃いの音弾ませて

相川 直宏 37歳

水音のひそかに蛇の泳ぎ出す

神尾 淑子 71歳

教師にも医師にもなれず葱坊主

田中 秋子 74歳

べた靴の新聞少年雪三寸

畑津 壽一 86歳

長崎県

新聞よ明るいきじをのせてくれ

西山 大地 12歳

祖父からのふるえた文字の年賀状

山南 奈津子 17歳

晴れるかなだって明日は海びらき

太刀掛 佳子 23歳

白い杖そっと手を添え寒椿

宮崎 圭介 72歳

底抜けに青一髪の冬の空

伊藤 一 91歳

熊本県

黒い線はたらくアリの冬支度

農望田 拓也 16歳

沢ガニを優先させる夏の道

坂口 真央 16歳

武者凧に上れ上れと通信す

大友 清晃 27歳

冬木立赤い帽子が駆け抜ける

池﨑 恵子 51歳

大正の気魄みなぎる寒稽古

川波 流 76歳

大分県

二人きりいつも以上の心臓音

小石 博孝 17歳

練習後部員で囲むたき火かな

宮﨑 剛 17歳

元旦の日の出祈られ荷が重い

竹下 智美 29歳

似たやうな背中のふたり日向ぼこ

梅津 稚子 31歳

煮凝りの奇妙を挟みそこねけり

川野 智子 49歳

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