伊藤園 お～いお茶新俳句大賞
第十六回
佳作特別賞
かげぼうしぼくの負けかな背比べ
暑そうな仁王の「あ」「うん」こちら向き
お年玉姉のお札と顔ちがう
ロングパス小鳥のようにとんでゆけ
おこられるそんな私は本の中
湖の鏡でおめかし小鳥さん
坂おりる卒業証書にぎりしめ
友達のノートはいつも古代文字
ところてんゆれる様子は川のよう
冬の日に白いはなうた口ずさむ
さくらさくこの学校はとても好き
芽をだいて身じたくはやいね実むらさき
妹がマフラー編んで恋の予感
かたつむりのように兄が毛布かぶる
こたつだし姉弟そろって猫背かな
学芸会ぼくのお客はおかあさん
念願の仔犬と共に春が来た
松の木さんわらの腹巻暖かそう
椎の実を食べると何だか木の気分
落ち立ての落ち葉拾って家帰る
植たての田んぼにうつる青い空
仁王像白アリなんかに食われるな
あたたかい日ざしの色は萌黄色
しゃぼん玉屋根まで飛んで空になる
コンペイ糖食べるととてもやさしい気持ち
雪とけて川が元気をとりもどす
入試など忘れて雲でねむりたい
空中で大渋滞の天の川
ポップコーンみんなではねて楽しそう
年表の暗記で終わる冬休み
給食で食べたご飯が家ででた
宇宙人いるかなＵＦＯ春の雲
絵を見るとだれのかわかる年賀状
息白く石段のぼる初詣
チューリップ一年生をまっている
寒空に洗ったような白い月
初夢はいたってふつうの夢だった
新校舎あっという間に泥の海
菊と菊クモの糸で糸電話
青空をけずったような白い雪
夏の朝鵜が一休み夫婦岩
冬の日に白い手紙がふってきた
けんかして妹の寝顔で仲直り
初もうで絵馬書きつるすど真ん中
春がくる少しさみしい足音で
木の中に隠れてるのは春の声
初雪や思わず手形をつける朝
数の子の味がわかれば大人かな
新しい中学という光る国
行きたいとぼやきながめるスキー板
