受賞作品

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

佳作特別賞

先生は違ふ桜を見てをりぬ

千葉県 秦 孝浩 61歳

納豆の糸に巻き込む初音かな

千葉県 小林 三寒 61歳

ピッチャーの仕草になるや福は内

東京都 金子 茂 61歳

撫子の浴衣懐かし乙女の日

神奈川県 藤山 佐代 61歳

ピストルが鳴りてプールが沸騰す

静岡県 大石 壮吾 61歳

つばきより赤き帽子の地蔵さま

静岡県 坂田 吉康 61歳

炎昼や足の届かぬ三輪車

愛知県 桑山 撫子 61歳

初つばめ小学校を根城とす

鹿児島県 尾辻 和子 61歳

行商の老婆の背かごに春薫る

青森県 平野 好 62歳

雨宿り燕に軒先ちょっと借り

埼玉県 小林 志津子 62歳

絵のような海見ています黒日傘

埼玉県 高島 達郎 62歳

菜の花や五〇年目の同窓会

千葉県 野口 義昭 62歳

福の豆こんなところにありにけり

東京都 荒川 美智子 62歳

消しゴムの滓をふやして春愁

神奈川県 渡辺 照子 62歳

子供らと踊りあそびし花の原

長野県 清水 直人 62歳

白壁に赤きソロバン吊るし柿

静岡県 齊藤 修 62歳

秋静か鳥の止まりし枝の先

愛知県 余語 典子 62歳

口唇にそっと春色ひいてみる

兵庫県 田添 サエ子 62歳

影のびていよよ気の立つ球児かな

北海道 清水 雅之 63歳

摩周湖の水青ざめて若葉寒

北海道 藤枝 博 63歳

閑かなる母のふるさと凧あがる

群馬県 峯岸 伸一 63歳

炉火に灰かぶせて母の今日終る

東京都 川口 年子 63歳

玉砂利が軋み輝く初日の出

東京都 小山 勇 63歳

一人では抱えきれない春が来た

神奈川県 佐藤 雅康 63歳

やはらかに空の近づき桜満つ

神奈川県 中島 成子 63歳

通せんぼしても虚しや秋終わる

新潟県 山田 悦子 63歳

病からぬけ出せそうな春の音

愛知県 村上 紀子 63歳

あるがまま受け入れ卒寿笑顔よし

三重県 岸本 幸子 63歳

雪降ればこもれる母か茶を送る

山口県 浜田 道子 63歳

よその子と九九唱へつつ土筆摘む

福岡県 福田 昌子 63歳

センチより尺が身につく針供養

福岡県 梅野 美智子 63歳

悩んでる木などはないぞ山若葉

群馬県 小倉 太郎 64歳

ガラス戸の中をうかがう冬の蝶

埼玉県 根本 一朗 64歳

秋祭り綿菓子ひとつ買いに出る

千葉県 吉若 佳代子 64歳

東京は通過する街一葉落つ

千葉県 市川 秀子 64歳

雪おろし銀山郷を守りけり

東京都 野村 暁男 64歳

せがまれて孫と公園をはしごする

東京都 福井 晧子 64歳

山肌をさくらづくしの色に染め

長野県 内川 幸子 64歳

かくれんぼまだ見えている昼の月

愛知県 北村 久子 64歳

絵手紙を持ってさがしぬふきのとう

兵庫県 森本 喜美子 64歳

月見草狐が美女に化けし原

徳島県 安芸 紀子 64歳

サンマ焼けご飯も炊けて恙なし

北海道 髙橋 わか子 65歳

俎板を使わぬ嫁の鮭料理

埼玉県 原沢 かね子 65歳

隣りまで掃いて我が家を光らせる

埼玉県 守屋 昇 65歳

燈台がタクトを振って海明ける

埼玉県 金子 功 65歳

身ひとつの入退院や返り花

千葉県 志田 明子 65歳

立春にフランスパンを立てて行く

神奈川県 丸山 幸子 65歳

凜として昭和八十年の初灯し

神奈川県 白崎 道忠 65歳

猫の手も孫の手もほし稲を刈る

長野県 神田 輝枝 65歳

定年日通勤列車に黙礼す

大阪府 坂川 頼幸 65歳

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