受賞作品

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

佳作特別賞

恋椿花を落として愛求め

神奈川県 明田 愛子 25歳

やってきたやってきたよと山は萌え

愛知県 玉津 沙枝 25歳

退院の荷物の一ツ金魚ばち

滋賀県 金子 かほり 25歳

秋ひとつ裏の庇に落ちないか

大阪府 堀 幸太 25歳

白ねぎを持って背すじもシャンとする

大阪府 長尾 絵里 25歳

月あかり含みし雪をうさぎにする

広島県 山下 倫実 25歳

風集めかけよってくるわが子なり

北海道 河合 智子 26歳

眠れぬ夜冷たい月を抱きしめた

宮城県 阿部 加奈子 26歳

雪うさぎ夢から夢へ飛び跳ねる

宮城県 仮屋 真弓 26歳

帰省して独り占めする母の味

埼玉県 臼井 孝治 26歳

春霞こぶしも入る大あくび

千葉県 野間 章子 26歳

秋になりイガグリ頭旬な僕

東京都 今野 真理 26歳

落丁の春を探しにゆくところ

東京都 葛原 亮 26歳

震災の後にも同じ雪は降り

東京都 西村 美香 26歳

たっぷりと寝てもまどろむ春の朝

東京都 加茂 光恵 26歳

浴衣着てしばし少女に戻りけり

東京都 筧 房恵 26歳

道端の名もない草に励まされ

東京都 多田 啓子 26歳

会いたくてブルーベリーに願かける

愛知県 中村 まゆみ 26歳

パレットに夕陽の色を押し込んで

和歌山県 柿原 ゆり 26歳

横に立つ鏡の母を見下ろせり

徳島県 藪内 敏郎 26歳

冬空の飛行機雲が息のよう

福岡県 山本 秀和 26歳

暑い夏涼しいところは犬に聞け

福岡県 田中 徳一 26歳

夢の中そこは私の花畑

鹿児島県 倉岡 徳博 26歳

通帳の残高見ながら年を越す

北海道 田中 壯 27歳

雪解けの氷の中から片方のピアス

北海道 阿部 美香 27歳

眠る子の頬にこぼるる陽の光

北海道 榎本 絵梨 27歳

薄氷やためらいがちな恋の文

埼玉県 池田 祐介 27歳

祖母の手を引いて歩いた春の園

千葉県 鎌形 淳一 27歳

猫柳とんがり帽子行列す

東京都 木島 利恵 27歳

はーっくしょぃ妻のくしゃみが派手になり

東京都 加藤 啓人 27歳

雪の声そうっと聴いて溶けるまで…

東京都 印出 かおる 27歳

荒れた手をわざと夫に見せてみた

神奈川県 野口 ふみ子 27歳

電線もわずかに垂れる春の昼

神奈川県 鈴木 恵介 27歳

霜柱踏み砕く音響く朝

神奈川県 大津 桂子 27歳

タンポポはどこか初恋のひとに似て

富山県 吉田 悦子 27歳

打ち水をひらりとかわす金魚売り

京都府 蔵ノ内 由香 27歳

ピカソより印象的な夕日観て

兵庫県 中村 友子 27歳

蛍舞うこの川いつか見てみたい

兵庫県 丸田 友子 27歳

パイ生地の音さくさくと雪のよに

北海道 羽生 香織 28歳

遠恋の切符買う為ダイエット

茨城県 市村 絵美 28歳

飛んできたてんとう虫の胸バッジ

埼玉県 佐藤 智昭 28歳

石蹴りで想い出めぐる散歩道

千葉県 京谷 香倫 28歳

「黒鳥」という名のダリアを持ち帰る

東京都 松本 朋香 28歳

貸す本の最後のページに好きと書く

東京都 橘田 賢 28歳

初雪の扉を開く子等の声

東京都 庄田 宏文 28歳

さくら咲く一人暮らしの三年目

東京都 国松 加奈 28歳

帰郷して小さく見えたグラウンド

愛知県 坂倉 充 28歳

防災の避難経路にふきのとう

三重県 若林 大悟 28歳

白桃のかほり漂ふ武家屋敷

三重県 中森 友香 28歳

故郷の家の中まで息白し

京都府 広瀬 美洋子 28歳

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