伊藤園 お～いお茶新俳句大賞
第十六回
佳作特別賞
氷点下氷のきばが並ぶ屋根
はつもうで一だんとばしでかけあがる
日曜日妙な寂しさなぜだろう
冬の海船とカモメの２ショット
入りくんだ海岸線に冬の雨
お正月おもちを食べると背がのびそう
手伝ってやりたくなったセミの羽化
ぐにょぐにょと田んぼの感触いいもんだ
しもやけがふくれてかゆい午後の授業
青空はみんなの秘密を知っている
制服のスカートひらり目がキラリ
電車代半額乗車あと少し
運動会気分は大阪夏の陣
クリスマスサンタ私服でご登場
魚の絵いつも左が顔になる
白鳥に餌やる祖父の顔和む
夏休みくぎづけになる甲子園
本物のおばけがでてきたきもだめし
店先のポインセチアが客を呼ぶ
田植え済み我が家の壁にツバメの巣
祖母が好きだから私は田舎好き
いろあせてとけてなくなる冬景色
ふまれても生き抜くこころたんぽぽだ
不思議だな電話のむこうはもう新年
福は内日本の祖父母に届くかな
犬ほしいパパのごきげん今チャンス
小雪降る神社で合格祈る父
カタクリを見つけ一息登山道
始業式白い上ぐつ凛とする
街路樹は静かな森の夢を見る
春の風パジャマを着たまま深呼吸
茶に合うと自慢の漬物祖母すすめ
たんぽぽに小さな猫が恋をした
赤トンボ季節を運ぶ郵便屋
洗濯機洋服たちが泳いでる
セーターと人間パチパチいがみ合い
焼きいもを割った中身は秋の色
きれいさが昼とはちがう夜の雪
どんぐりのちっちゃい帽子のおとしもの
自転車をゆっくりこぎたい別れ際
実を食べてまほうの種を運ぶ鳥
逆立ちでコウモリの気持ち考える
鉛筆を使い果たしてホッとする
色ペンがにぎやかに踊る年賀状
雨音と静かな家に二人きり
秋の風ピンポン玉の気も変わる
雨上がり稲の香の帰り道
走りだす弟の先に雪が降る
お惣菜作る背中に秋の汗
赤い羽名札につけて登校する
