伊藤園 お~いお茶新俳句大賞
第十一回
優秀賞
小学生の部 (幼児含む)
ふゆの本よみおわったらあたたかい
顔に風あつまってくるそりあそび
ブーメラン空を半分にしてもどってくる
まんいん電車みたいにさつまいも出てくる
ふゆのかぜぼくをおしてるぼくもおす
一日中だれもいない夏やすみ
まがりかどまがったとたんさっぷうけい
中学生の部
お父さん雪など見てない雪見酒
暖房で先生の声遠くなる
落葉には木の物語がつまってる
マフラーに除夜の鐘の音入れて編む
友の手の大きさ知った仲直り
姉よりも弟喋る外は雪
自転車の倒れる音に冬を聴く
高校生の部
母さんがいるからずっと鬼は内
夕焼けツアー左に弟右に犬
雪合戦思った以上に死闘です
あれもしたいこれもしたいぞ大冬木
この風船あなたの息が入ってる
受験子と言われ金属疲労かな
テスト前なぜか掃除がしたくなる
一般の部A (40歳未満)
ひぐらしのそのひぐらしのひぐれかな
沈黙も父の言葉と気づく秋
小さき地震来て孤独なり日曜日
いつもの人いつもの風呂屋十三夜
さみどりの風吹くやうな猫の呼吸
呪文だよさ・ん・か・ん・し・お・ん春よ来い
ドーナツの真中にさえある空虚
一般の部B (65歳未満)
叱られて筍をまた埋めている
サングラスいろんな鼻のありにけり
百歳の母に煮てゐる春の粥
遠足の子等の背中にある翼
葡萄丸呑み楽天的な妻である
仲麻呂も李白と観たり今日の月
台風下脳を輪切りに撮られけり
一般の部C (65歳以上)
けむりのように老いて子猫を抱いている
まんさくやかくれ泣く子になりにけり
胸に穴あくほどたんぽぽ真っ黄色
どの風に乗って行こうか柿枯葉
風の皺あつめて光る薄氷
観念の海鼠は海に放つべし