過去の受賞作品

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  • 過去の受賞作品 第十回 

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

優秀賞

小学生の部

めだまやき食べないわたしをにらんでる

埼玉県 中村 麻理奈 7歳

だれよりもこうふんしていた海の波

埼玉県 川村 佳楠 10歳

本だなの本は寒がりだと思う

東京都 前田 智美 10歳

水ぞく館魚が見るのはヒト科ヒト

愛知県 田中 美希 12歳

妹は歌って歩くきもだめし

富山県 前田 清和 12歳

ねたきりの祖母の口びるふれてみる

愛媛県 尾崎 美織 12歳

手にのせてこんなに軽いかぶとむし

福島県 秋山 直人 12歳

中学生の部

貝殻の中にも一つ海を見る

兵庫県 岡本 育恵 13歳

虹が出た虹の根元を掘りまくれ

静岡県 伊藤 良隆 13歳

しもやけを父にふまれて大げんか

新潟県 小林 みなみ 13歳

赤い実がパチンとわれた十四歳

福岡県 笠 桂子 14歳

鰯雲空一面の大家族

東京都 山口 京子 15歳

冬の山えんぴつだけで絵を描ける

福岡県 柴田 直季 15歳

いつだって私は東風になれるのよ

東京都 小坂 芳美 15歳

高校生の部

人は鳥鳥は魚をゆめ見てるかな

埼玉県 八木原 聖 16歳

どの方向に進んでもなぜかむかい風

北海道 小笠原 麻衣 16歳

つきぬけろつきぬけろ秋の青空

福岡県 馬場 美喜 17歳

紅葉見て次の日絵の具買いに行く

茨城県 高橋 紗知子 18歳

制服が白衣にかわる春がくる

岡山県 池内 祐子 18歳

七月を抜いた浮き輪がぺっちゃんこ

茨城県 溝渕 篤子 18歳

本当の空が来ている冬木立

北海道 鶴谷 尚洋 18歳

大学生・専門学校生の部

この恋と冬眠しよう癒えるまで

福井県 石田 美穂 19歳

近付いた匂いで分かるふるさとよ

東京都 石川 昌宏 20歳

秋の蚊の飛んで来るなり理髪店

兵庫県 宮繁 健 21歳

あどけないアイツを変えた月明り

埼玉県 小野沢 真克 21歳

切りすぎた前髪つまむ入学式

神奈川県 岡本 陽子 22歳

原爆忌はだかのままサイレンをきく

鹿児島県 東川 隆太郎 26歳

銀杏の目をした猫が溶ける庭

茨城県 出渕 美奈子 26歳

一般の部A (40歳未満)

寒いから象に逢いたくなるのです

大阪府 中川 聡子 27歳

鈴の音も投げ込んでいるどんどかな

栃木県 黒田 早苗 30歳

昼の月夢をみている大海鼠

千葉県 鈴木 裕一 30歳

病む吾子とテレビの雪に触れてみる

熊本県 泉 朋子 32歳

雑炊を吹いて強気の人となる

東京都 名取 光広 36歳

盲目の詩人みたいに象眠る

東京都 藤林 一正 38歳

月光を一点でうけ瓦斯タンク

東京都 藪井 ひとみ 39歳

一般の部B (65歳未満)

こころなき身にもあはれは八頭

長野県 竹内 睦夫 47歳

エンジンが焼け少年の夏果てる

兵庫県 中本 勝利 57歳

猫の餌ばかりを置いて妻の旅

群馬県 福田 英雄 60歳

雪が降る前に空気が澄む不思議

群馬県 藤井 ナミ 61歳

着ぶくれてまあるく角を曲りけり

徳島県 島 玲子 62歳

鯰の眼小さ過ぎ口大き過ぎ

大分県 梅木 兜士彌 62歳

ねこじゃらし痒い処に届かない

栃木県 橘川 芳子 64歳

一般の部C (65歳以上)

銀行の前に遍路の道しるべ

愛知県 村上 清 65歳

あの虹の脚見にゆこう鳥になろう

千葉県 辻 キヨ子 65歳

アイロンの余熱も着込む花衣

東京都 長谷川 玲子 66歳

分校にかぶさってをり春の山

滋賀県 清水 良次 68歳

想ふ人の二人目に入り踊りけり

東京都 長岡 貝郎 71歳

大根干す円空仏の笑いかな

神奈川県 太田 重良 86歳

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